第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー定食屋ー

「らっしゃーい……。」

義鷹「まぁ、座れよ」

福太郎「あ、ども……。」

ルーミア「いい匂いがするのかー」

「なんにしゃしょーか……。」

義鷹「ビール、お前は?」

福太郎「あ、えと、ほなら、ビール二つと…」

ルーミア「三つなのかー」

福太郎「えぇ……飲めるん?」

ルーミア「バッチリなのかー」

義鷹「気にすんな此処はそういう類はわかる店だ」

福太郎「さよか……ほな、ビール三つになんか適当につまみよろしゅう」

「はいょーう……ビールおまちどーぅ……」

福太郎「早っ、そして激冷え?!」

義鷹「……」

ルーミア「わはーちょっと凍ってるのかー」

福太郎「夏には最高やろな」

「つまみてきとぅーに……」

どざざ……

福太郎「早いし小皿多い……」

ルーミア「わはー、食べていいのかー?」

福太郎「えと……」

義鷹「好きにしろ」

ルーミア「いただきますなのかー」

福太郎「……ルーミアは置いといて、えと、御堂福太郎言います」

義鷹「美船義鷹だ。お前が福太郎か…」

福太郎「俺のこと知ってはりますの?」

義鷹「名前だけはな、冥から聞いてた」

福太郎「冥……って、もしかして管理人さん?」

義鷹「あぁ、俺もあそこに部屋借りてるもんだよ」

福太郎「初めて見た……。」

義鷹「ま、ふだんは使ってねぇからな」

福太郎「ん?」

義鷹「いや、それより……お前何した?」

福太郎「えーと、なにというんは?」

義鷹「さっき帰ってみたら、お前の部屋から異質な匂いがした。それと、ソイツ」

ルーミア「ごくっごく……ぷはーなのかー」

福太郎「……」

義鷹「この辺りの奴じゃねぇし。匂いが違う」

福太郎「匂い……なんか、エロいな」

義鷹「あ゛?」

福太郎「いやいや、えと、その……なんも変なことはしとらんのやけど。もしかして、なんや迷惑なっとります?」

義鷹「いいや、今のところは何にも……。ただ、気になったから聞いただけだ。話したくないならいい」

福太郎「そーいうつもりや無いんやけど……。俺もまだ、よう分からん状況でして」

義鷹「そうか。ついでにもう一つ聞いていいか?」

福太郎「はいはい?」

義鷹「お前、悠とも知り合いか?アイツの匂いもするが」

福太郎「知り合い知り合い。義鷹も知り合いなん?」

義鷹「ちょっとな」
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