第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「そらまぁ……自衛はしとくやろ。念のために」

クロ「ちゃっかりしてやがって」

鈴仙「それでも直に見ないでくださいね。何かあったら困りますから」

福太郎「せやね。けど狂気を操るってかっこええな」

鈴仙「そ、そうですか?気持ち悪いとか怖いとか思いません?」

福太郎「全然」

鈴仙「即答ですね?!」

福太郎「そんなんで気持ち悪いいうてたら……りんねセンセと話しでけんようになるし」

鈴仙「りんね……先生?」

クロ「ウチの隣に住んでる女教師だ」

福太郎「特性は不死」

メリー「だけどちょっと腐りかけてるから色々捥げたり出たりしちゃうの」

鈴仙「えぇっ……うちの姫様も不死ですけど腐りかけてはないですよ?」

クロ「性格は若干腐ってたけどな」

福太郎「こらこら」

鈴仙「けど、そういうひとも普通に生活してるですね。」

福太郎「いや、色々と裏工作がある気がする……」

クロ「悪魔がバックについてるしな」

鈴仙「悪魔もいるんですか…」

福太郎「俺がしっとる限りでは……不死、鬼、化け猫、いつまでん、朧車と人間のハーフ、キョンシー、隙間女、犬、メリーちゃん、鵼、悪魔、死神、泥田坊、座敷童子……」

鈴仙「何気に多い?!」

福太郎「細かいん合わせたら他にもちょこちょこ」

クロ「お前……今私のこと犬って言っただろ」

福太郎「気がついたかぁ」

クロ「よーし、今日は本気で手を出すぞ」

福太郎「じゃんけん?」

クロ「そういう意味じゃねーよ!!」

鈴仙「じやあ、こっちで妖怪が住んでも大丈夫なんですね。」

福太郎「んー……それでもやっぱり生きにくい部分は有るんとちゃうかな」

鈴仙「全面的に受け入れてるんじゃないんですか?」

福太郎「もちろん、夢をもって人間に馴染もうと頑張ろうっていう妖怪さんの面倒は見るっていうか、フォローする機関的なもんはあるよ」

クロ「ま、こいつの事なんだけどな」

鈴仙「あぁ、だから私や姫様に親切にしてくれるんですね。」

福太郎「それは成り行きかな」

鈴仙「本当に全部ストレートにいうんですね」

クロ「ストレートにいうんだよ」

すっきー『しかも真顔でっす』

福太郎「真顔っていうか平常時の顔なだけなんやけど」

メリー「ご主人様って表情硬いの」

福太郎「せやろかなぁ。ってか、それ何回似たようなこと言われたかな」

クロ「アンタの狂気でもうちょっと表情っか感情を豊かにできないか?」

鈴仙「んー……深刻な幻覚作用とか夢遊病症状とかが併発してもいいのなら」

福太郎「それはもう発狂やな」

鈴仙「狂気を操りますから」

福太郎「使い方次第では麻酔的なコトできそうやな」

クロ「覚めない夢を見そうだけどな……」

すっきー『人為脱法ハーブっすか?』

鈴仙「それは何か嫌です。」

福太郎「ところで他には出んの?」

鈴仙「ほか?」

福太郎「ビームとかビームとかビーム的なもんは出んの?」

鈴仙「でませんよ!」
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