第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:ファミレスー

禅「……お?」

福太郎「まいど、とりあえずドリンクバー三つ。」

クロ「咽がカラカラっか、歩き過ぎてクタクタだ」

鈴仙「よいしょっと……」

禅「お疲……れ…様で……す」

福太郎「しかし、驚いたわ。あの貸倉庫の中、色んなゲーム機や筺体までおいてあるんやから」

禅「俺の……趣味……倉庫……です」

福太郎「それに上手いわな。お使いさせて、報酬のゲーム機も持ってこさせるんやから……あ、そや。質問なんやけど、あの電話の女の子は誰やったん?」

禅「……」

カタカタ
女の声『人工ボイスですよ』

福太郎「おぉ」

禅「……」

カタカタ
女の声『こうやって打ちこむだけでその通りに発音します。自分で話すより超楽です』

クロ「この距離なんだから話せばいいだろ」

禅「……」

カタカタ
女の声『楽なんです』

クロ「……」

福太郎「んっ、それでUSBとかぬいぐるみはどうしたらええの?」

禅「……」

カタカタ
女の声『鍵とUSBは置いていってください。初音ミクのぬいぐるみはプレゼントしますよ』

クロ「いらんだろ」

福太郎「ん、おおきに」

クロ「もらううのかよ」

禅「いえ……こちら……こそ……おかげで……色々……助かり…ました」

かたかた
女の声『ありがとうね♪』

クロ「喋りながら打つな打つな」

禅「そう……いえば……ウサ耳…は……趣味……ですか?」

鈴仙「ふぇ?!」

福太郎「え……あれ?なんで知っとるん?」

禅「……」

カタカタ
女の声『あの貸倉庫には隠しカメラが仕掛けてあるの。そのときの映像をライヴでみてたら、そっちの人が帽子脱いだ時にウサ耳がついてたのが気になってね』

クロ「隠しカメラとか仕掛けてあるのかよ……」

鈴仙「趣味とかじゃなくて……」

禅「俺は……好きで…すけど……ね。ウサ耳……」

福太郎「ウサ耳ええよね。バニーガールやなくてウサ耳がええんよな」

クロ「盛りあがってんじゃねぇよ……」

禅「……」

カタカタ
女の声『良かったら一枚写真を撮らせてもらえませんか?コスプレ美少女の写真。』

鈴仙「私の?!」

福太郎「写真くらいやったらええんちゃう?別に悪いことにはつかわんやろ?」

禅「もちろ……ん。」

カタカタ
女の声『売れそうだったら売りますけど』

クロ「充分悪いことだろ」

禅「……」

カタカタ
女の声『ブロマイドってやつですよ。もし、売れたら30%キックバックしますよ』

福太郎「クロ、いっとこか」

クロ「なんで私だよ!」

禅「……」

カタカタ
女の声『クロさんでもイケると思いますよ。良ければ1枚』

福太郎「ほんなら個々で1枚ずつと2人ひと組のを一枚」

クロ「勝手に決めるな」
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