第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:西口駅ー

福太郎「……」

ぷるる、ぷるる……

女の声『はい、こちら禅の携帯です』

福太郎「えっ、あ……福太郎です」

女の声『福太郎さんですか。ロッカーの中身は何でした?』

福太郎「ええと、茶封筒」

女の声『はい。大丈夫ですね。それでは次の指示をします。今開けているロッカーの天井部分に有るものを取ってください』

福太郎「天井部分?クロ、ロッカーの天井部分になんかある?」

クロ「あん?なにかって……」

鈴仙「あ、ガムテープが張ってあります。これ剥がしていいんですか?」

福太郎「ガムテープが貼ってあるんやけど?」

女の声『剥がしてください』

福太郎「剥がしてみて」

クロ「おう……ん?なんか着いてきた……鍵?」

福太郎「鍵がついとったんやけど?」

女の声『東口大型地下パーキングの中にあるロッカーの鍵です。次はそこに向かってください。もちろんちゃんと茶封筒は持っていてくださいね。それでは失礼します』

プッ……

福太郎「……」

クロ「どうした?」

福太郎「次はその鍵のロッカーの所に行けって」

クロ「なんじゃそりゃ……」




ー東口:地下パーキングロッカー前ー

福太郎「ええと、これかな……」

ガチャ!

クロ「こんどは……なんじゃこりゃ」

【初音ミクのぬいぐるみ】
【黒い手提げかばん】
【USBメモリー】

鈴仙「これがいっぺんにあると何か不気味ですね。」

福太郎「……電話しよかな」

女の声『お疲れ様です。ロッカーの中身は何でした?』

福太郎「黒いカバンに、ミクのぬいぐるみ、USB」

女の声『では、ぬいぐるみとUSBは取り出して、前のロッカーに入っていた茶封筒をカバンの中にいれて鍵をかけてください。』

福太郎「カバンの中に書類入れて鍵閉めて……鍵はどうしたらええの?」

女の声『池袋西口公園のパイプベンチに座って待っていてください。有る人がその鍵を受け取りに来ます。その際には膝のうえにミクのぬいぐるみを置いて居てください。USBメモリーは持っていてくださいね。それでは、失礼します』

プッ…

福太郎「……」

クロ「今度は?」

福太郎「西口公園である人に、この鍵を渡せって」

クロ「RPGのお使いかコレ……」

鈴仙「往ったり来たりしてますね……ところで、そのぬいぐるみは?」

福太郎「なんや、これが目印みたい。膝のうえに乗せとけって」

クロ「もっと別のなにか無かったのかよ……」

福太郎「怪しいないようにちゃう?」

クロ「怪し過ぎるだろ」

福太郎「池袋やったらそうでもないよ」

鈴仙「そ、そうなんですか……」

福太郎「あと、アキバでもいけるな」

クロ「いいから行くぞ…」

福太郎「よーし、かんばっていこー」

鈴仙「お、おー……」
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