第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:ファミレスー

禅「さて……それで……ご用…件……は?」

福太郎「ええと、この子の……姉さん?がゲーム機を買ってこいっていうて遠出して来たんやけど、お金を忘れてきてしもてね。」

禅「ふ……む」

福太郎「そんで、俺がとりあえず建て替えようと思ったんやけど、俺もちょっと今は先立つもんがないんよ。やから、禅君にかなり格安でゲーム機とゲームを買える方法というか場所というかを教えてほしいんよ」

禅「なる……ほど……ふむ……ちなみに…具体…的…に欲……しい……ものは?」

福太郎「ええと?」

鈴仙「あ、はい。ええと、福太郎さんの所でやったものだそうです」

福太郎「スーファミ、PSP、PS2やな」

禅「なる……ほど……ネッ…ト……通販で……探…せば……見つ……かると……は思いま……すけど」

福太郎「できれば早い方がええかな」

禅「早くて……そして……安く……まるで……牛丼……ですね」

福太郎「上手い」

クロ「おいおい……」

禅「……わかり……まし……た。そ……の…無茶を……引き……受…けま……しょう」

福太郎「ホンマに!」

禅「ええ……ただし……ちょっと……働いて……貰い……ま……すね。」

福太郎「俺らで出来ることやったらやるよ」

禅「じゃ……これを……」

そういってテーブルに置かれたのはテンプルキーとコインロッカーで使われるようなタグ付きの鍵だ。

福太郎「これは?」

禅「おつか……いを…頼み……ます。テン…プルキー……の方は…しば……らく使……わな…いので……しっかり……と肌…身離…さず……管理…して…おいて……くださ…い。ロッ…カーの……鍵は……池袋駅で……使って…くだ…さい……。」

クロ「ロッカーに何が入ってる?」

禅「それは……言えま…せん……し……見て…も駄目……です……よ。」

福太郎「……んっ、わかった。ほんならとりあえずロッカーまで行って来るわ」

禅「は……い。着い…た……ら……連絡……くだ……さい」





ー池袋:西口駅ー

クロ「って、ホントに大丈夫なのかコレ」

福太郎「ただのおつかいやん」

鈴仙「明らかに怪しいおつかいですけどね……。」

福太郎「なんでも疑ってかかるんはようないで」

クロ「いや、そうじゃないだろ」

福太郎「っと、着いた……番号は36番」

クロ「36……36……あったぞ」

福太郎「よし、オープン」

ガチャ!

クロ「躊躇なしか!」

鈴仙「躊躇なしですか!」

福太郎「ん?」

【A4サイズの分厚く膨れた茶封筒】

クロ「……怪しい」

鈴仙「怪しいですね……。」

福太郎「重さ的に紙の束やな。」

クロ「あんまり詮索すんなよ。」

福太郎「ぉっと、せやね。さて、それじゃ禅君に電話しよかな」
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