第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

鈴仙「みなさーん。朝ですよー!」

福太郎「んっ……あと、五分……」

クロ「……あと十分…」

メリー「おはよー……」

鈴仙「はい、おはようございます」

メリー「んー……あれ、誰?」

鈴仙「初めまして鈴仙です」

福太郎「うどんげー……」

鈴仙「起きるんなら起きてください!」

福太郎「んんっ、ふあぁぁ……なんやトマホークが飛んでくる夢見たわ」

鈴仙「なんていう悪夢ですそれ……」

福太郎「ゲッターな夢……かな」

鈴仙「分からないです」

メリー「ご主人さま、ウサ耳だよ!ウサ耳!」

福太郎「んー、今度メリーちゃんにも作ったげるな。ウサ耳」

メリー「なんで?!」

福太郎「んー、アタッチメントかな」

メリー「意味が分からない…」

鈴仙「作れるんですか?」

福太郎「細かい作業は割と嫌いやないんよ」

鈴仙「へー、手先が器用なんですね。」

福太郎「んー、まぁぼちぼちかな」

クロ「……んー……あと二十分……」

鈴仙「増えてる……」

福太郎「ハッカ油とか正露丸を鼻元にもってけば跳び上がって起きるで」

クロ「やめろっ!」

メリー「おはよう」

クロ「お、おはよう」

鈴仙「やっぱり犬は嗅覚が鋭いんですね。」

クロ「犬じゃねぇ!狼だ!」

鈴仙「あれ?!そうだったんですか……」

福太郎「自称やから」

クロ「正真正銘だよ!」

福太郎「またまたぁ~」

クロ「なんで冗談めかしてる風になってんだよ!」

鈴仙「朝からお元気ですね」

福太郎「低血圧とは案外無縁なもんで」

クロ「私は朝から血圧がマッハだよ」

福太郎「鉄分とるとええよ」

クロ「そうじゃねぇだろ。」

福太郎「にしても、うどんげちゃん早起きやな。眠れんかった?」

鈴仙「いえ、わざわざ隣の部屋を貸してもらえて充分眠れましたよ。でも、私はいつも早く起きなきゃいけないんで……」

クロ「急に暗くなったな」

福太郎「あっちはあっちで大変なんやな」

鈴仙「はは……」

メリー「なんだっけ、そうつ?」

福太郎「躁鬱?」

メリー「それ!」

クロ「鬱扱いしてやるなよ」

鈴仙「ダイジョウブデスヨ」

福太郎「追い込まれた人ほどそういうんよな」

クロ「朝からやめろ、やめろ」

福太郎「こういうときは朝ご飯やね。」

クロ「このままのテンションで朝飯に突入したくねぇよ」

福太郎「ほんなら、りんねセンセに有ってからにする?」

クロ「血なまぐさくて飯が食えなくなるだろ!!」
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