第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ほんで、わざわざお礼言うだけのためにここへ?」

鈴仙「ええと……」

クロ「明らかになんかあるって顔だな」

福太郎「んー、人参……人参の採取?」

すっきー『兎だから人参って考えは安直だと思うっス』

福太郎「ほんなら……首を切り落としに?」

クロ「どこのダンジョンに出てくるクリーチャーだ」

福太郎「兎いうたら首チョンパなんは決定事項」

クロ「そんなわけねーだろ」

福太郎「いやいや、島津が生んだ殺人マッスィーン豊久レベルで決定事項やで?」

クロ「妖怪首置いてけと同等の戦力があるのか兎って……」

福太郎「兎は地上最強の小動物って噂があるんやで……なぁ、うどんげさん」

鈴仙「私はそんな残酷なことは……しませんから」

クロ「何か間があったぞ」

すっきー『そういう目的なんすか?』

鈴仙「違います。姫様から御使いを頼まれてて」

福太郎「んっ、おつかい?」

鈴仙「はい……その、ゲームを買って来いと」

福太郎「んー、なるほど」

クロ「そういや、こっちにすぐ戻って来るとかいって、来ないままだったな」

福太郎「いわれてみれば、ホンマヤね。」

鈴仙「師匠が全力で阻止していますから。」

クロ「師匠って奴はまともな人らしいな」

鈴仙「まとも……まぁ、マトモデスヨ」

すっきー『カタコトってるっす』

福太郎「んっ、話しはだいたい分かった。けど、ゲーム買ってこいって電源とかあるん?」

鈴仙「それは大丈夫です。」

福太郎「大丈夫なん?」

鈴仙「無理やり作らせたみたいなんで……」

福太郎「姫様すげー」

鈴仙「ただ、買って来いとは言われたんですが……具体的にどんなものでどれを買ってこいとか指示されなかったんです。福太郎さんに尋ねて面白いものを買ってこいっとだけ」

福太郎「いいそうやわ」

クロ「言いそうだな」

鈴仙「なのですいませんけど色々とご教授おねがいします」

福太郎「んっ、わかりました。けど、もうひとつ質問が」

鈴仙「はい?」

福太郎「お金……もっとる?」

鈴仙「あ、それに関しては師匠の薬を売って現地で調達するようにと……」

福太郎「んー、RPGの世界やったらよかったんやけどなー。」

クロ「こっちの世界じゃ薬とかを個人で売買するのは犯罪なんだよ」

鈴仙「えぇ?!ど、どうしよう……」

福太郎「バレなきゃ犯罪やないけどね。」

クロ「おい」

福太郎「まぁ、冗談はおいといて……どないしょうかな。買ってあげてもええんやけど……ちょっと今は財布の中が心ともないんよな……」

鈴仙「それじやあ、私が出来る仕事とか無いでしょうか。働いてお金を作ります」

福太郎「んっ……まぁ、ほんなら明日ちょっと色々と探しにいってみよか」

鈴仙「すいません、ありがとうございます」

福太郎「さて……ほんならええ加減に寝よか」

クロ「これ、いい加減に夜中に繋がる設定を変えてもらいたいもんだな……」
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