第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「とりあえず、粗茶ですけど」

鈴仙「これはどうもありがとうございます」

福太郎「そんで、うどんげちゃん」

鈴仙「あの、鈴仙で……」

福太郎「うどんげちゃんはどしてここに?」

鈴仙「……」

クロ「諦めろ名前いじりはコイツの趣味みたいなもんだ」

福太郎「フレンドリーにしよとおもっとるだけやって、名前いじりとかやなくて」

すっきー『その割には今でもチンチさんの名前いじってるじゃないっすか』

福太郎「チンチンいじるってすっきーそないなドストレートな下ネタはいただけんわ」

すっきー『なんでそこだけピックアップするんスか!』

クロ「お前ら騒いでると近所のやつらは起きなくてもメリーは起きるぞ」

福太郎「おっと……それはアカンな。寝る子は育つ言うのに邪魔したら」

すっきー『メリーちゃんは人形だからこれ以上成長しないでしょう』

福太郎「分からんで、薔薇乙女になるかもしれんし」

クロ「ローゼンメイデンになったとして成長なのかソレは?」

福太郎「ほんならパーツが付け替え可能になって最終的に女性人体模型メリーちゃんに」

クロ「なるかよ。しかも今どき動く人体模型とか流行らねーだろ」

福太郎「せやろか……ホラーの王道言うたら動く人体模型やない?」

クロ「トイレの花子さんとかだろ」

鈴仙「……ズズッ」

すっきー『あの、うどんげさんの話は?』

福太郎「ぉっと、脱線してしもたな……ごめん、続けてくれる?」

鈴仙「はい。まずは改めて、このたびは姫様がお世話になったお礼を申し上げます。」

福太郎「いえいえ」

クロ「まーゲームしてただけだしな」

鈴仙「これは姫様の世話役で私の師匠でもある八意永琳(やごころえいりん)様からの感謝状です」

福太郎「これはご丁寧に…………ふむふむ、まったく読めへん」

クロ「なんじゃそりゃ」

福太郎「んー、いや達筆過ぎてホラ」

クロ「確かに達筆だけど読めるだろ」

福太郎「ほんなら超崩した感じに訳して」

クロ「えっとー、このたびはーウチの姫様がーお世話になって超さんきゅー的なぁー……って、なにさせるんだ!」

福太郎「ノリノリやったやん」

すっきー『ノリノリだったすね。』

鈴仙「それとこれは粗品です」

福太郎「わざわざこんな事してもらわんでもええですのに」

鈴仙「礼儀は大事……というのは建前で正直引きニート寸前の姫様の相手を一日でもしてくれて助かったという本当のお礼です」

クロ「ニートいっちゃったよ姫様の事」

鈴仙「みんな言ってますから……はぁ。」

すっきー『苦労してるみたいっすね。』

福太郎「んなら、遠慮なくもろときますけど……これなに?」

鈴仙「薬です。右の瓶から腹痛止め、頭痛止め、下痢止め、解熱剤、湿布薬、栄養剤となっています」

福太郎「まさか薬のお礼が来るとは……」

鈴仙「師匠は天才薬師ですから」

福太郎「……一応聞くけど人間が飲んでも平気?」

鈴仙「はい、それは人里に卸してるものなのでバッチリ大丈夫です」

福太郎「ほんなら安心やな」
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