第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「クロ、小腹すかん?」

クロ「あー……空いてるな」

福太郎「カップめんでも食べへん?」

クロ「……それは遠回しに私に作れっていってるのか?」

福太郎「ははは。」

クロ「お前もときどき人使い粗いよな」

すっきー『夜中にもの食べると太るっスよ?』

福太郎「せやねー。カレーヌードルと普通のどっちがええ?」

クロ「普通のだな」

福太郎「ほんなら、俺はカレーでヨロ」

すっきー『結局食べるんすね。』

福太郎「結局食べて……んぅっ?」

クロ「なんだよ」

すっきー『どうかしたんすか?妙な声出して』

福太郎「おしり」

クロ「あ?」

すっきー『は?』

福太郎「ほら、おしり」

福太郎が指さした先には、幻想郷とつながる絵画からおしり(下半身)だけがだらりと伸びていて、足をばたつかせている。

おしり(?)「あ、あれ……ちょ、足つかない」

幼い声「いいから、いいから、さっさといくウサ」

おしり(?)「ちょっ!てゐ!押さないで!やめて!」
ふりふり

福太郎「何かエロいな」

クロ「私はアホらしく思えるんだけど」

すっきー『悠さんが居たら絶対にワシ掴んでるっすね』

福太郎「とりあえず、写メっとこ」
パシャ

クロ「やめてやれよ…」

幼い声「ええい、覚悟を決めるウサ。これはお前の物語ウサ!」

ゲシッ!
ウサ耳少女「きゃうっ!」

ドスンッ!

福太郎「んー、ウサ耳やで。ウサ耳~」

クロ「興奮すんな……いや、興奮してるのか?」

福太郎「わりと」

すっきー『淡白すぎるっス…。もうちょっとハッキリと喜んだりしてくださいっス』

福太郎「そんないきなり踊りだして喜びを表現するような真似はちょっと……」

クロ「だれもそこまで奇行に走れって言ってねーよ!」

ウサ耳少女「いたた……もう、おしり打ったし……」

福太郎「おしりキャラっぽいな」

クロ「違うだろうけど、本人に確認してからそういうことはいえ」

すっきー『いや、確認ていうのもおかしいっスけどね…』

ウサ耳少女「ハッ?!」

福太郎「んっ、こっちに気がついたようですよ」

クロ「なんで実況口調なんだよ…。おい、アンタ」

ウサ耳少女「は、はい。」

福太郎「お名前は?」

鈴仙「鈴仙・優曇華院・イナバです」

福太郎「優曇華院ちゃんか。俺は御堂福太郎、ほんで、こっちが大神クロ、すっきー、そんで寝とるけどメリーちゃん」

鈴仙「福太郎さん方の事は姫様から聞いています」

福太郎「姫様……もしかして輝夜さん?」

鈴仙「はい、そうです。その節は大変お世話になりました」

クロ「あの姫の従者にしては……普通だな」

すっきー『確かに真面目っすね。』
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