第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「さて……無事に朝を迎えられてよかった……ホンマよかったわ……。」

すっきー『福太郎さん、噛み痕がたくさんついてアダルティな風貌っすね』

福太郎「……」

ルーミア「わはー」



~昨晩~

福太郎『すぅ……』

もぞ
ルーミア『……』

福太郎『ん?ルーミア?』

ルーミア『あーーーん……』

福太郎『へ?』

ルーミア『がぷっ!』

福太郎『ぎゃーー!!』


~以上回想終了~


ようよう「みちゃいられなかったぜ」

福太郎「助けてぇな……。」

メリー「ご主人さまを、食べちゃダメっ!」

ルーミア「寝ぼけちゃったのかー」

福太郎「寝ぼけただけでよかったわ……ルーミアの本性が解放されて食われんで……。」

ルーミア「でも、血は久々で美味しかったのだ」

福太郎「……」

メリー「血が流れるほど歯が突き立ってたの……。」

福太郎「そりゃもうザックリ、ブッスリと」

ルーミア「てへ」

福太郎「さて……捕食もとい食事で思い出したけど冷蔵庫のなかが空っぽなんよな。」

ルーミア「つまり?」

福太郎「食べるもんがない」

ルーミア「それは嫌なのかー。カパっ」

福太郎「とりあえず大口開けるんはやめてや……。外にご飯食べにいこか」

ようよう「おうおう、兄さん。ずいぶんと大胆な提案掲げやがったな」

福太郎「ルーミアやったら羽もないし平気やろ。」

ルーミア「外に行くのかー」

福太郎「せやで、そんかしぜーったい」

ルーミア「いうことを聞くのかー」

福太郎「そういうことや。ほな、いこか」

ルーミア「おーなのかー」

すっきー『気をつけてくださいね』

メリー「……」





ー夢見長屋:近辺ー

ルーミア「わはー……森とかがないのかー」

福太郎「森はないな。ビル群ならあるけど」

ルーミア「びるぐん?」

福太郎「ほら、あっちに見えとる高い建てもんとかのことや」

ルーミア「あれなのかー」

ふよふよ…
福太郎「って、飛んだらあかんって!!」

ルーミア「わっーなのかー!」

福太郎「ここでは、普通は滑空せんのや。誰かに見られたら……はっ?!」

義鷹「……」
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