ｰ福太郎の部屋ｰ

悠「暑いんだなぁ」

福太郎「んー、確かに今日は一段と暑いなぁ」

クロ「……」

悠「こういう日は辛いもの食べたいなぁ」

福太郎「んー、香辛料の効いたカレーとか?」

悠「あぁ、いいな夏野菜カレー激辛」

恋「恋は嫌じゃ!カレーもカラ過ぎたら台無しになる」

悠「あー?お前刺身にワサビ付けてるじゃん」

恋「それがなんじゃ?」

悠「あんなカライ物を食えるんだから平気だろ。」

恋「つけるとしても的量だし、激辛というほど使わんじゃろ」

福太郎「悠はワサビはダメなんやっけ」

悠「ワサビダメ。泣く」

クロ「子供か」

悠「うん」

クロ「子供に謝れ」

悠「……すまん」

メリー「なんで私に謝るのよ!どっちかっていったら子供は恋ちゃんでしょ」

恋「なにをっ!」

福太郎「こらこら、メリーゃん。失礼やろ」

悠「そうだぞ。恋は見た目ロリでも中身は婆ちゃんだ」

恋「蹴り飛ばすぞ!」

ゲシッ!
悠「背中を蹴られてる気がするんだけど」

福太郎「ただの蹴りから大技のドロップキックとかに変化するんちゃう?」

悠「ドロップキックか仕掛けたことも仕掛けられたこともそんなに多くない」

恋「日常的にドロップキックを使うヤツも使われる側もおかしい」

悠「不意打ちとかでされたら超痛いんだよなあれ」

福太郎「されたことないけん同意はしかねるけど痛いっていうんは理解した」

悠「痛いぞ。特に背中から不意打ちされたら一瞬息止まるしな……。あと、めっちゃ吹っ飛ぶんだよ衝撃がとてつもないから踏みとどまれない」

福太郎「んっ、やられたときは覚悟しくわ」

クロ「普通に生活してたらやられるこたぁねぇよ」

悠「今までのことを踏まえて……お前はおれにドロップキックをするつもりか?」

恋「しないわ」

悠「しないのか?」

恋「せんわ、っていうかできるか!」

悠「お前の脚力をもってすれば出来ないことはないはずだぞ?」

クロ「蹴られたいのか?」

悠「いや、伝授しといた方がいいのかと思って」

福太郎「さすがドロップキックマスター」

悠「へへっ」

メリー「変な称号に照れてる?!」

恋「阿呆じゃな」

悠「ごめんな、ばあちゃん」

恋「ばあちゃんいうな!!」

福太郎「クロはドロップキックせんの?」

クロ「誰になんのためにするんだよ……」

福太郎「ジャイアントスイング派?」

クロ「私ゃプロレスラーか……」

悠「昔一度卍型めで首の骨やられかけたことがある。」

クロ「お前は何か?ひととおりの痛いことは経験してる口か?」

悠「……ソンナコトナイヨ」

恋「カタコトになっとるぞ」

福太郎「さすが食屍鬼街(オーガーストリート)で生まれた男」

悠「東洋の毒薬を探しに行ったことはまだないかな」