第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「っで、そろそろ零時なんやけど」

輝夜「おりゃー!」

福太郎「ダメや、聞いてない」

クロ「零時になった瞬間、放りこんでやれ」

福太郎「それゃったら色んなもんを巻き込んで行きそうで怖いんやけど」

クロ「……全然ありえそうだな」

すっきー『テレビにしがみつきそうっすよね。』

メリー「でも、このままにしておいたら永遠とここに居そうかも」

福太郎「せやねぇ」

輝夜「あ?なによ?」

福太郎「そろそろ零時です」

輝夜「ふーん……で?」

福太郎「ん、お帰りになれる時間です」

輝夜「…………」

福太郎「…………」

輝夜「さて、ノーコンテニュークリア目指すわよー」

クロ「露骨に無視してんじゃねーよ」

輝夜「えーだってぇ、ここ居心地いいしー」

福太郎「そらどうも」

輝夜「ということで」

クロ「何がということでなんだよ」

輝夜「いいじゃない、一週間ぐらい」

福太郎「リアルな数字やな」

輝夜「現実的でいいでしょ」

クロ「いいから帰れよ……」

輝夜「えー、ダメなの?」

福太郎「ダメいうかいきなりやしなぁ。泊るんやったらちゃんと準備してきたらどうです?」

輝夜「準備って?」

福太郎「服とかご家族に連絡とか」

輝夜「……めんどくさ」

クロ「どこまでずぼらだよ」

輝夜「そこぞのズボラよ」

クロ「威張ってんじゃねーよ!」

福太郎「まぁまぁ」

輝夜「仕方ないわねぇ。じゃあ、帰ってあげるわ」

福太郎「んっ」

輝夜「けど、明日!明日すぐに戻ってくるからね!」

福太郎「はぁ、分かりました。そんときは止めはしませんわ」

クロ「来るなだし、止めろよ」

福太郎「まぁまぁ、ええやないの」

輝夜「福太郎の方は話しが分かるわね。クロは少しかたいわよ?」

クロ「一般常識的な話しだよ!」

輝夜「私にそんな常識が通用すると思っていて?」

クロ「そこでふんぞり返るなよ……」

福太郎「お姫様の常識パナイな」

メリー「私の中でお姫様像がどんどん崩れていく。」

すっきー『……でも、アレっスよ。和の姫と洋の姫って違うじゃないっすか』

輝夜「なにいってるの姫なんてワガママで残酷なのは古今東西同じよ。私は違うけどね」

クロ「自分で言うなよ」

福太郎「けど、あながち違うともいい切れん部分手あるよな。童話とかでも「ホンマは怖い」みたいなん多々あるし」

輝夜「私は違うわよ?……違うわよ?」

クロ「なんか念を押すところが怖ぇよ…」
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