第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋:ベランダー

福太郎「ふぅー……。」

ようよう「なんだ、兄さん、わざわざベランダに出て一服かい」

福太郎「んー、ほら、分煙て大切やん」

ようよう「アンタの家だろ…ふぅーー」

福太郎「部屋が黄ばむんは嫌やし、ていうか、ようようはエクトプラズマなんやからベランダ出て来んでええんとちゃう?」

ようよう「気分だ気分」

福太郎「なるほど、ふー……」

ようよう「しかし、変わった匂いのするタバコだな」

福太郎「バニラみたいな香りやろ?アークロイヤルいうんよ」

ようよう「ふーん、なんか甘ったるいな」

福太郎「結構イケるんやどな……。ふぅ、まだ、夜と朝方は冷えるなぁ」

ようよう「三月になったんだすぐにあったくなっだろうよ」

福太郎「やったらええんやけど……。さて、中はいろか」

ようよう「おうよ」

福太郎「んー、今日はもう寝よかいな~……。」

ルーミア「わはー!」

福太郎「おーぅ……。来客者ありやったか…。」

ルーミア「ひさしぶりなのかー!フクタロー」

福太郎「ホンマやね。」

メリー「ごし、ご主人さま、今、いま、その子、絵から飛び出してきて!!」

福太郎「んー、まぁまぁ、落ち着いて。大丈夫やからねー」

ルーミア「小人なのかー!」

メリー「小人じゃないわ。人形よ」

ルーミア「人形なのかー」

ツンツン

メリー「ちょ、つ、つっかないで!!」

福太郎「動く人形はめずらしい?」

ルーミア「んーと、アリスが人形を操るの得意なのだー」

メリー「お、恐ろしいわね」

福太郎「え、そう?なんかめっちゃメルヘンなんを想像したんやけど」

メリー「絶対にロクな奴じゃないわ!!人形を意のままに操りもてあそぶなんて!」

福太郎「いやいや、そこまで言うてへんかったよ……。どんなかんじなん?」

ルーミア「上海人形とかー、蓬莱人形とかー」

福太郎「ほら、なんや可愛らしげやん」

ルーミア「槍とか出したりー、ビーム出したり、爆発したりするのだー」

福太郎「前言撤回……。殺伐とした人形という名の兵器や」

メリー「槍より武器はハサミが良いわ」

ルーミア「カッコいい剣持ってるのかー」

メリー「これを褒められるのは……複雑だわ」

福太郎「ええやん、水銀灯やって装備は剣やったし」

メリー「そのネタ……あんまり使いすぎるの良くないと思うの」

福太郎「せやろか……。っと、今更やけど、こちらルーミア、幻想郷に住まう妖怪。んで、こっちはメリーちゃん。都市伝説妖怪。で、ようよう、同じく都市伝説妖怪。」

ルーミア「おいしそうなのかー」

ようよう「なぁ、兄さん。オレは第一声で美味そうといわれたのは初めてだぜ?」

福太郎「ぷりぷりのコラーゲン、コラーゲンしとるけど食べたアカンよー」

ようよう「アンタも大概、怖えぇよ」
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