第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ラムさんは何酒派?」

ラム「日本酒かしら辛口の」

福太郎「ほう、それは通やな」

ラム「飲まなきゃやってらんない時がたくさんあるのよ」

クロ「生々しいなおい」

福太郎「クロ」

クロ「ん?」

福太郎「今のはエッチな意味で飲まなきゃやってられんていうんとちゃうよ?」

クロ「分かってるよ!」

福太郎「んっ、ならええんよ」

ラム「なに、クロってそいう感じのキャラだったの?」

クロ「全然ちげぇし!」

すっきー『でも、肉食系女子っすよね』

クロ「よし、歯食いしばれ」

すっきー『暴力反対っす!』

福太郎「セクハラにしとき」

クロ「しねーよ!」

すっきー『なんでセクハラなら良いって感じなんスか!』

メリー「すっきーには暴力よりセクハラが効果的だからじゃない?」

すっきー『っていうか、セクハラされて喜ぶような人はいねーっすよ!』

福太郎「居るには居ると思うよ。マニアックな人とか」

ラム「なんて話よ」

福太郎「大人な夜の話的な」

クロ「なんか違ってるぞ。それにそんなこと言ってると隣からゾンビが出てくるぞ」

福太郎「ゾンビ言うたらアカンて」

すっきー『バタリアン?』

福太郎「脳髄食べへんやろ」

メリー「リビングデッド」

福太郎「んー、ゾンビっぽいな」

ラム「キョンシー……ではないわね。不死人かしら」

福太郎「不死って言うはあるもんなんです?」

ラム「難しい質問ね。基本的にこの世の理では死なない生き物はいない。だけど、死体が動いているっていうのは死んでから動きだしたから死なないという事になるでしょ?」

福太郎「なるほど、死なないやなーて、死んどるから死ぬことはないってことか……ちなみに神かもしれんクロみたいなんは?」

クロ「間違いなく神だよ!!」

ラム「本人に聞いたら?」

クロ「でも、面と向かって「クロって死ぬん?」みたいなこと聞くんは失礼やし」

クロ「ガッツリ聞こえてるよ!この距離!」

すっきー『ツッコミが絶好調すね。さすが神』

クロ「ダンボール箱に詰めて札貼ってどっかに放置してきてやろうか」

すっきー『捨て幽霊ダメ絶対!』

ラム「捨て幽霊ってシュールねなんか」

福太郎「連れて帰るっていうか憑かれて帰るってパターンかな」

メリー「それでクロって神さまだから不死身なの?」

クロ「死んだこともないし不死でもねーけど。寿命は長いしだいたい私らみたいな土地神は転生とか色々あるっぽい」

福太郎「なんでアバウト?」

クロ「そこら辺に私と同類の神仏が居ないからな。情報がないんだよ」

すっきー『そういうのってご近所さん情報で得るもんなんスか?』

クロ「いや、違うんだが……」

ラム「本来は長い寿命のあいだに独自の神術を開発したり生み出したりして転成とかの方法を編み出していくものって本で読んだことあるけど」

クロ「それだ!」

福太郎「……んっ、まぁ、クロ。飲み」

クロ「その優しい目はやめろ!」
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