第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「なんや夜でも蒸し暑いな」

クロ「もう冷房入れちまえ」

福太郎「まだ五月やで」

クロ「もうすぐ六月だ」

福太郎「天然冷房を起動するしかないかな」

クロ「天然冷房?」

福太郎「すっきー」

すっきー『私に何をしろというんすか……』

福太郎「幽波紋(スタンド)=ゾクッとする冷気の方程式」

すっきー『できねーっすよ!』

福太郎「えー…」

クロ「っていうか、スタンド呼ばわりされてるぞ」

福太郎「スタンドの特性は隙間に潜む」

クロ「……他には?」

福太郎「もちろんそれだけ」

クロ「役にたたねぇ…」

すっきー『酷い言われようっすね!!』

福太郎「でも、間違いではないやろ?」

すっきー『スタンドって言う意味でなら全部が間違ってるっすよ!』

福太郎「あはは」

クロ「にしても、あっちぃな。外のが涼しいんじゃないか?」

福太郎「窓も開けとるんやけど風が死んどるもんなぁ」

メリー「でも、去年も何だかんだで過ごしたよねー」

福太郎「メリーちゃんは暑い寒いは案外平気やね。」

メリー「まぁね」

クロ「っていうか、お前はコップにでも水入れりゃあプールがわりになるし、氷置いといたら冷房がわりになるだろ」

すっきー『ちっちゃいってエコなんすね。』

福太郎「エコやな……。んー、じゃあ、ここはひとつ知恵を借りてみよか」

クロ「誰にだよ。」

福太郎「道士さん」


~数十分後~


ラム「っで、私にどうしろと?」

福太郎「こう暑いときはどうしたらええですかと思って。」

ラム「私は別に風を起こせたり冷気を操れるわけではないのよ?」

福太郎「ですよねー。ところで、夕飯たべました?」

ラム「急に呼び出されてまだよ」

福太郎「そしてら、ざるうどんとソラマメエとンドウマメと枝豆と小エビの掻揚げ食べていきません?」

ラム「なにそれ、超おいしそう」

クロ「って…飯に誘っただけかよ!」

すっきー『前半の暑いだのなんだの話しはなんだったんスか!』

福太郎「いや、ほら、豆類って案外足速いやん。それに揚げもんするんならちょびっとやなくてもう揚げれるだけあげきりたいやん」

ラム「えっ、なに、私は夕飯によばれただけなの?」

福太郎「そんな感じです」

ラム「なんじゃそりゃ……ってか、ご飯食べてたらどうしてたつもりなのよ」

福太郎「晩酌」

ラム「はぁ……もう何でもいいわ」

福太郎「平気ですて」

ラム「え?」

福太郎「なりはそんなんでもちゃんと二十歳過ぎとるんやから」

ラム「私は喧嘩を売られてるのかしら?」

福太郎「まさか、褒めて……はないか。」

クロ「お前、そのうち殴られるぞ」
52/100ページ
スキ