第伍夜『福太郎の不思議な日常』
ー福太郎の部屋ー
福太郎「んー……角煮がええ感じや」
メリー「ご主人様、料理のスキルあがってるよね」
福太郎「せやなー、やっぱり自分の分だけ作るんと、他の人の分も作るんとはちゃうし」
クロ「そんなもんか?」
福太郎「そんなもんやで。クロも家事全般やってみる?」
クロ「めんどくせぇよ。」
小鞠「ただいま……」
福太郎「んっ、おかえ……!?」
玄関を開けて入って来た小鞠の姿は朝出ていったときとは大きく違っていた。髪は乱れ切って、足や顔に擦り傷が出来ている。まるで誰かと取っ組み合いをしたような格好だ。
クロ「どうした、なんかボロボロだな」
小鞠「人間て……変だよ」
ドスっと腰を降ろし、バックの中から何かを取り出した。
福太郎「どしたんその服……」
その服は確か初めての給料で買ったと言っていたものだった。今朝着ていったのも覚えている。しかし、ほつれや破れ、伸び切ってしまっている部分もある。
小鞠「宝物だったのに…着てかなきゃよかった。」
クロ「何したんだよ」
小鞠「正しいこと言っただけなのにズタズタにされたわ。あーもー!腹立つから聞きなさい!」
福太郎「んっ、わかった。」
バイトでいつも通り品だしをしていたとき、前に子連れの女の人がいて少し嫌な予感がしたという。彼女が百々目鬼だからかはわからない、ただ盗みを働く人は何となくわかるという。
その予想は運悪く的中し、女の人はバックにペットボトル飲料をしまい込んだ。
そしてその人はそのまま店を出たのですぐに捕まえたのだが「私していない」とか「子供がした」とか変なことをいいだし、終いには……
「アンタのせいで!ママが捕まるじゃないの!バカ!」と怒鳴ったらしい。
なんで子供に当たるのか分からなくて気持ち悪くて百々目鬼の母でさえ一度だって私のせいにはしなかった。
小鞠「そしたら私、カッとなって「自分のしたことを子供になすりつけてその上怒鳴るなんてそれでも母親なの!」っていってやった。そこから逆上されて、もう大変。髪引っ張られたり服破かれたり、他の店員に連れていかれたけど私は店長から厳重注意された」
『万引きを捕まえたのはお手柄だけど、次からは絶対あんなことしたらだめだ』
福太郎「……」
小鞠「おかしいよここの世界!私の方が絶対正しいのに、あの人が暴れるまで誰も何も言わないし。まさか誰も変て思わなかったわけないでしょ?」
福太郎「……」
小鞠「現代ってさすごくきらきらして素敵だと思っていたのに……変なところで訳わかんない世界だよね。私何か間違ったことした?私が悪いの?」
福太郎「小鞠さん。俺らの世界では正しいことが間違った扱いを受けることは珍しいないんよ。せやけどね、小鞠さんがそう思ったことは間違いやないと思うよ」
小鞠「でもさ…」
福太郎「結果はどうあれ自分が正しいと思ったことを伝えられるんはごっつ大切なことなんよ?大切なもんをボロボロにされても間違っとることを間違っとるていうんは勇気が無いとできんことなんやから。さっ、角煮食べて元気出してや」
小鞠「……そうね。それはそうともっと愚痴聞いてよお母さーん!」
福太郎「お母さん?!」
クロ「いい得て妙だな」
福太郎「んー……角煮がええ感じや」
メリー「ご主人様、料理のスキルあがってるよね」
福太郎「せやなー、やっぱり自分の分だけ作るんと、他の人の分も作るんとはちゃうし」
クロ「そんなもんか?」
福太郎「そんなもんやで。クロも家事全般やってみる?」
クロ「めんどくせぇよ。」
小鞠「ただいま……」
福太郎「んっ、おかえ……!?」
玄関を開けて入って来た小鞠の姿は朝出ていったときとは大きく違っていた。髪は乱れ切って、足や顔に擦り傷が出来ている。まるで誰かと取っ組み合いをしたような格好だ。
クロ「どうした、なんかボロボロだな」
小鞠「人間て……変だよ」
ドスっと腰を降ろし、バックの中から何かを取り出した。
福太郎「どしたんその服……」
その服は確か初めての給料で買ったと言っていたものだった。今朝着ていったのも覚えている。しかし、ほつれや破れ、伸び切ってしまっている部分もある。
小鞠「宝物だったのに…着てかなきゃよかった。」
クロ「何したんだよ」
小鞠「正しいこと言っただけなのにズタズタにされたわ。あーもー!腹立つから聞きなさい!」
福太郎「んっ、わかった。」
バイトでいつも通り品だしをしていたとき、前に子連れの女の人がいて少し嫌な予感がしたという。彼女が百々目鬼だからかはわからない、ただ盗みを働く人は何となくわかるという。
その予想は運悪く的中し、女の人はバックにペットボトル飲料をしまい込んだ。
そしてその人はそのまま店を出たのですぐに捕まえたのだが「私していない」とか「子供がした」とか変なことをいいだし、終いには……
「アンタのせいで!ママが捕まるじゃないの!バカ!」と怒鳴ったらしい。
なんで子供に当たるのか分からなくて気持ち悪くて百々目鬼の母でさえ一度だって私のせいにはしなかった。
小鞠「そしたら私、カッとなって「自分のしたことを子供になすりつけてその上怒鳴るなんてそれでも母親なの!」っていってやった。そこから逆上されて、もう大変。髪引っ張られたり服破かれたり、他の店員に連れていかれたけど私は店長から厳重注意された」
『万引きを捕まえたのはお手柄だけど、次からは絶対あんなことしたらだめだ』
福太郎「……」
小鞠「おかしいよここの世界!私の方が絶対正しいのに、あの人が暴れるまで誰も何も言わないし。まさか誰も変て思わなかったわけないでしょ?」
福太郎「……」
小鞠「現代ってさすごくきらきらして素敵だと思っていたのに……変なところで訳わかんない世界だよね。私何か間違ったことした?私が悪いの?」
福太郎「小鞠さん。俺らの世界では正しいことが間違った扱いを受けることは珍しいないんよ。せやけどね、小鞠さんがそう思ったことは間違いやないと思うよ」
小鞠「でもさ…」
福太郎「結果はどうあれ自分が正しいと思ったことを伝えられるんはごっつ大切なことなんよ?大切なもんをボロボロにされても間違っとることを間違っとるていうんは勇気が無いとできんことなんやから。さっ、角煮食べて元気出してや」
小鞠「……そうね。それはそうともっと愚痴聞いてよお母さーん!」
福太郎「お母さん?!」
クロ「いい得て妙だな」