第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「おはよう」

福太郎「んっ、おはよさん」

クロ「……お前って時間通りに来れる奴だったんだな」

悠「ひとを何だと思っているんだこのチワワは」

クロ「だれが世界的に公認された犬の中で最も小さな犬種だ!。」

悠「ちなみにメキシコのチワワ地域が原産地な。」

福太郎「へぇ」

クロ「ってか、犬じゃねーっての!」

福太郎「どっちかいうたらシェパード?」

クロ「ドイツ原産の犬でもねー!」

悠「ちなみにシェパードの正式名称はジャーマン・シェパード・ドッグ。「ドイツの牧羊犬」と言う意味だ。」

メリー「犬の知識披露会?」

クロ「ちがう」

福太郎「せやけどようしっとるなぁ。」

悠「何だかんだで犬が気になるんだな」

クロ「うるさいっ!さっさと出かけろ!!」




ー電車内ー

悠「クロは何か怒りっぽくないか?」

福太郎「暑ぅなってきとるからやろ」

悠「生理ではなかったか」

福太郎「悠はあれなんかな。とりあえず、女性に対しては生理かどうかを第一に聞くタイプ?」

悠「四割弱かな」

福太郎「結構な確率やな。四割って」

悠「大事なことじゃん」

福太郎「大事なことやけどね。それはさておき……悠、靴やなくて雪駄なんやね」

悠「普段からこれだが?」

福太郎「多少とはいえ山道を登るのに」

悠「大丈夫、緊急事態になったら裸足になる」

福太郎「緊急事態なときは裸足なん?」

悠「地面を踏みしめる感じがけた違いだからな。」

福太郎「おびただしいガラスの破片が散らばった道とかダッシュで鍛えとる?」

悠「そんなダイハードなことはしたくないな。福ちゃんはブーツか。」

福太郎「んっ、というかこれしか靴ないってだけなんやけどね。」

悠「ガラスのうえも何のそのだな」

福太郎「俺は絶対にそんな危ない状況や現場にはいかんけどね」

悠「おれだって裸足でそんな危険な場所と関わり合いにはなりたくないんだけど」

福太郎「フラグ?」

悠「いやいや。山に行くんだよね?」

福太郎「そやで。」

悠「フラグ立たないだろ」

福太郎「もしかしたら、山の中に洋館があったら……どうやろか?」

悠「そいつはまずいな……超高確率でヤバい仕掛けが大量にあってゾンビとかタイラントとかとシェークダンス踊るはめになる。それで最後は爆破落ち……」

福太郎「ゾンビとシェークダンス……死霊の盆踊り?」

悠「あれは何を目的として作られた映画かわからんな。っていうか、なんの話しだっけ?」

福太郎「何の話しやったかな……そういえばシャルウィダンスって映画あったよな」

悠「おれアレ好き。」

福太郎「温泉卓球とかは?」

悠「好き。っか、福ちゃんよくそんな映画知ってるな」

福太郎「昔は深夜によう放送しとったしな」

悠「あぁ、確かに……っか、電車の旅って良いな」

福太郎「次で降りるけどね。」
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