第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ラム「まぁ、挨拶もできたし……帰るとするわ」

福太郎「ええ時間やし夕飯くっていきません?」

ラム「……いや、やめておくわ。」

福太郎「ん?」

ラム「普通にまた酔い潰れて一夜明けはちょっとね……」

福太郎「まぁ、確かに恋ちゃん……やなくて、連チャンになるもんね。」

ラム「じゃあ、本当にいろいろとどうも。また顔出しに来るわ」

福太郎「んっ、ほんならまた」

クロ「アレもせわしないな」

幽香「犬みたいね。小犬っぽいわ」

クロ「……」

幽香「こうパタパタパタパタ尻尾を揺らして。走り回ってる室内犬」

クロ「……」

福太郎「クロ、無理せんでええんやで?」

クロ「なんの無理もしてねーよ!!」

すっきー『中型犬だって可愛いっすよ』

クロ「だから、何の慰めだよ!」

メリー「ふぁぁ……おはよー」
ひょこ

幽香「あら、やっと起きたのね。」

福太郎「んっ、随分と静かやと思っとったら寝取ったんやな……谷間で」

メリー「すっごいふかふかなの!」

幽香「ふふっ」

福太郎「あえてツッコミとかは無しにしときますわ」

幽香「あら、別に良いのよ?ボケたりしても」

福太郎「いやいや、ぶん殴られたぁないんで」

幽香「あら、そう?」

クロ「なんかいったらぶん殴る気まんまんだったんだな……」

すっきー『あのー、それよりそこら辺に落ちてるお札を片づけてくれないっすか?うかつに歩けないんで』

福太郎「んっ?あぁ……まぁ、遠慮せず」

すっきー『遠慮の意味がわからねーっす!』

福太郎「室内に罠があるという面白さ」

すっきー『なんにも面白くねーっスよ!』

福太郎「不思議なダンジョン風」

クロ「迷惑過ぎる。っか、ホントに早くどうにかしろよ迂闊に移動できねぇし」

幽香「アナタなら触れるでしょ?」

クロ「は?」

幽香「自分で神を自負してるなら、この程度の札平気でしょ」

クロ「……いや、この札は触りたくねぇ害がある無しとかじゃなく。服とか破れたくない。」

福太郎「俺はけっこう嬉しいよ?」

クロ「やかましいわ!」

メリー「ご主人様のえっち」

福太郎「せやね」

クロ「いや、普通に頷くなよ」

福太郎「あはは、さて……お札は回収しとこかなんかに使うことがあるかもしれへんし」

幽香「フラグ?」

福太郎「んっ、いや残念ながら。」

幽香「あら、違うっていいきれるの?」

福太郎「んっ、俺にそういうフラグ立たんのですよ」

クロ「なんの話しだよ…」

福太郎「平凡のありがたみの話し」

すっきー『妖魔の類に囲まれてて平凡っていうんすかね……?』

福太郎「悪夢にうなされたり、ノイローゼになったりしたらアウトやけど、害もなく話しも出来る、ちょっと変わった隣人やろ?」

幽香「神経が図太いんだか、逆に無神経すぎるんだか…」
29/100ページ
スキ