第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー居酒屋:三日月ー

幽香「ここのようね」

クロ「はぁー……」

福太郎「んっ、来た来た」

悠「よーす」

幽香「あら、アナタも居たの」

悠「いちゃいました。」

凛「いらっしゃいませ。先に飲み物の注文を」

クロ「水……とにかく水くれ水」

幽香「私は……そっちの二人と同じものを」

凛「畏まりました」

福太郎「なんで水?」

クロ「脱水で干からびそうだからだ……」

悠「よくよく見ればものゴッツイ汗かいてね?」

クロ「ずーっとずーっとずーーーーっとひまわりの種撒いてたからな…」

幽香「うふふ」

福太郎「幽香さんは平然としてますね」

幽香「私は日陰で見てたから」

クロ「鬼だ」

悠「妖怪じゃね?」

幽香「手際良くやれば涼しいうちに済んでたはずよ?」

クロ「手伝えよ……」

幽香「メリーちゃんもなにか食べる?」

メリー「ぷはっ、出ていいの?」

クロ「無視か」

悠「おいおい、なんて羨ましいところに潜んでるんだ。おれもその谷間で暮らしたいわぁ」

幽香「ここには入れるサイズに潰してあげましょうか?」

悠「……いえ、それはちょっと」

凛「なにか注文ありますか?」

幽香「何か焼き物頂けるかしら。それと……甘いものってある?」

凛「甘いもの……水菓子(フルーツ)でよければ」

幽香「じゃあそれをお願い」

凛「えと、ごいっしょに?」

幽香「そうねぇ。焼き物は後でいいから先にフルーツを」

凛「わかりました。そちらの方は?」

クロ「えーと、何か肉」

悠「獣か……あ、獣だ」

クロ「うぉい!」

福太郎「適当でええんで何かもってきてやってください。」

凛「ふふっ、わかりました。」

クロ「はぁ……」

悠「だいぶ弱ってるな。やっぱり毛皮は熱いのか?」

クロ「今は人間形態だろーが…」

幽香「麦わら帽子くらい被ればいいのにねぇ。日射病で倒れるわよ?」

クロ「なんで教えない……」

幽香「子供でも分かることだし、分かっててかぶらないのかと思ったから」

悠「あー、分かるわ。おれもガキの頃、帽子が好きくなかったからかぶらずに炎天下でてふらふらしたことあるし」

福太郎「その頃から反骨精神に秀でとったんやな」

クロ「ただの馬鹿なんじゃね?」

幽香「同レベルじゃない」

クロ「うるせーよ!次からは頭になんかかぶるっーの!」

悠「ウサ耳とかどうだろうか?」

クロ「死んでくれ」

福太郎「やっぱり犬耳がええの?」

クロ「どっちも直射日光遮れねーだろ!なおかつ耳なら自前のがあるわ!!」

幽香「じゃあ、自前ので遮ったら?」

クロ「耳にそんな機能ねーよ!!」

悠「皿乗せてみるか?」

クロ「河童か!!」
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