ｰ福太郎の部屋ｰ

ラム「んんっ……ふぁぁ……っむ。あれ……ここどこだっけ?痛っ……頭痛い……」

すっきー『あ、起きたっすね。』

ラム「……あれ、隙間の女?」

すっきー『できればすっきーでお願いしますっス』

ラム「……あー、思いだした。飲んで寝ちゃったんだった」

すっきー『そうっす。』

ラム「他の人らは?」

すっきー『えーと、幽香さんはクロさんとメリーちゃんを連れてひまわりを植えに行きましたっす。』

ラム「福太郎は?」

すっきー『サウナっす』

ラム「……サウナ?」

すっきー『サウナっす』

ラム「あぁ、そう…。」

すっきー『あ、伝言っす。味噌汁と昨日のつまみの残りでおかず作ってあるんで食べるんだったらどうぞだそうっす。あと、お風呂も入るんだっらどうぞだそーっす。』

ラム「なんだか我が家みたいな気がして来るわ。この自由度」

すっきー『まぁ、盗られて困るものは無いっていって鍵も開けっぱなしのことが多いっすからね。』

ラム「それは人としてどうなの…」

すっきー『まぁ、それにほら自分がいるっスから』

ラム「それもそうね。亡霊装置……いや、防犯装置」

すっきー『警報機みたいな扱いっすね…』

ラム「自分でいったんじゃない」

すっきー『そーっすけどねぇ…』

ラム「そういえばアナタとちゃんと話すのって初めてね。」

すっきー『そっすね。』

ラム「飲食はできるの?」

すっきー『出来ないっす。』

ラム「あら、そうなんだ」

すっきー『出来ないのが普通じゃないんすか?』

ラム「んー……意思のある幽霊系のキョンシーは調理された肉や魚なら食べているのを見たことあるけど」

すっきー『幽霊系キョンシーってなんすか?』

ラム「肉体は消滅しちゃったけど、霊体でキョンシーになった。いわば悪霊ね。」

すっきー『わ、私は悪霊じゃないっすよ?』

ラム「何もいってないでしょ。ええと、それじゃあ……これ、つかってみる?」
ピッ

すっきー『なんスか、その札は……』

ラム「これは透過を無効化する札。」

すっきー『はぁ…』

ラム「分かってないようだから身を持って体感しなさいっと」

ペタッ!
すっきー『へっ!わー!きゃー!なんすか!見えない!前が見えないっす!てゆーか、剥がれなっ……』

ラム「あぁ、あんまりバタバタしてると…」

ガッ!
すっきー『きゃっ!い、いたーい……あ、あれ?触れる?なんか触れるっス!』

ラム「一時的に実体化してるのよ。」

すっきー『おー!これなら本も自分で読めるし、テレビのチャンネルもひとりで変えられるっすね!ちょっと前が見にくいっスけど』

ラム「その代り物理攻撃もガンガン効くから包丁とかで刺されたら死ぬわよ。」

すっきー『なんで急にそんなおっそろしいこというんすか……』

ラム「これはそういう霊に対して使うお札だもの……まぁ、別の用途としては霊に恋してもプラトニックな関係しか築けない人が……まぁ、そういう感じよ。」

すっきー『やらしいっす……』

ラム「ちなみにこっちの札は張りつけるとダメージを与える札だけど、今なら実体化してるしさぞ効果はキツイでしょうね。」
ピッ

すっきー『すいません、勘弁してくださいっす。』