第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「んっ……んんっ……あさぁっ?」

福太郎「朝です」

りんね「おはよー…福太郎さん……って、え?」

福太郎「おはようございます」

りんね「もしかして……」

福太郎「酔い潰れて俺の部屋で眠ってしまっただけでなんもないですよ」

りんね「あぁ、なんてこと教師である私が一夜の過ちを……」

すっきー『聞いてないっすね…』

福太郎「まぁ、もう少ししたら自分の世界から出てくるやろ」

幽香「扱いに慣れてるわね。」

クロ「扱いなれてるし、スルー技術が高い」

福太郎「あたりさわりなく、関わらずにおるつてことも大事なんよ」

幽香「他者を拒絶するって意味?」

福太郎「ひとは孤独やと生きていけまへんて、あたりさわりないってのが大事」

りんね「ハッ……わたしは一体?」

メリー「ご主人様、りんねさん帰って来た」

福太郎「朝ご飯たべます?」

りんね「んー……ちょっとお腹が重たいから…」

クロ「腹が重たいって…」

幽香「内臓引っ張り出して邪魔なものを絞りだせば?」

クロ「エグイエグイ、エ・グ・イ!」

福太郎「ほんなら、みそ汁だけでも飲んでいきます?」

りんね「ありがとう。頂くわ」

福太郎「どぞ」

りんね「ズズ……はぁ、美味しい。ところで今何時かしら?」

メリー「えっとね、七時四十分よ」

りんね「ぶっ!!」

クロ「うをっ、味噌汁吹くなよ!」

福太郎「鈴猫スプラッシュ」

幽香「なに?」

福太郎「なんか分からんけどいわないかん気がしてん」

りんね「た、大変!急がないと!ちょ、ごめんなさいごちそうさま!後日改めてお詫びに来るからバイバイ!!」

すっきー『めっちゃ慌てて出ていったっすね。』

福太郎「仕事の時間ぎりぎりなんちゃう?」

クロ「ギリギリアウトっぽい感じだけどな」

幽香「ちなみにあの時計、ずっと針が動いてないようだけど?」

福太郎「ん?あら……電池切れとるやんこれ」

クロ「マジかじゃあ携帯で……七時だな」

福太郎「んっ、誤差の範囲やな」

幽香「四十分て誤差で許されるレベルかしら?」

福太郎「きっと遅刻せずに着くからOKですて」

幽香「それもそうね。」

クロ「教えてはやらないんだな…」

福太郎「となりでバタバタしとるし携帯とかみたらそのうち気づくやろ。」

幽香「じゃ、私たちも朝食にしましょう」

福太郎「ご飯何盛りで?」

幽香「トーストがいいわ」

福太郎「わぉ……」

メリー「でも、ゆうかりん。お味噌汁と焼きシャケだよ?」

幽香「それでもトーストが食べたいわ」

福太郎「んー……焼きますわ」

クロ「焼くのかよ!」
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