第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「お花見ってどこにいってたの?」

福太郎「無縁仏の集合墓地んところです」

りんね「あぁ、あそこねぇ。あそこの桜は何故かなかなか散らないのよねぇ。」

クロ「ぜってぇ危ねぇな、あそこ…」

幽香「危なかったらなにか連れて帰ってるわよ」

福太郎「そうそう」

クロ「私らはともかく、よく平然といってるなお前」

福太郎「幽香さん以上の超妖怪が現れるとでも?」

クロ「まぁ…それもそうか」

幽香「ふふっ、絞めて上げましょうか?」

クロ「なんで私を見ながらいうんだよ」

りんね「仲良くしないとダメよぉ。うふふふ」

クロ「コイツはコイツで依然出来上がってるし…」

幽香「お酒呑んでるんだから酔っぱらって当たり前じゃない」

クロ「なんで突然冷静に切りかえすんだ?なぁ?」

福太郎「俺、先寝てええかな?」

クロ「お前はお前で自由か!自由人か!」

福太郎「いやー、俺もくたびれて」

クロ「だからってこんな状態を放置していくなよ。とくに、りんねのことを!」

りんね「あら~福ちゃんねめのぉ~?」

クロ「見ろ!まともに日本語話せてねぇぞ!」

福太郎「ええ、できたら先に休ませてほしいんやけど」

りんね「え~、じゃあ、先生もいっしょに寝ます!」

福太郎「嫌です」

クロ「きっぱり断ったな…」

福太郎「朝んなったら手足もげてそうやし」

クロ「なるほど…」

幽香「足捥いで初めから枕がわりにしといたらいいんじゃない?膝枕よ?」

福太郎「面白い」

クロ「笑えねぇよ!」

すっきー『ブラック過ぎるジョークっすね。』

りんね「ぐぅ…」

クロ「しかも、なんかいつの間にか寝てやがるぞコイツ…」

福太郎「ウチ来たんもギリギリやったんやろね。」

クロ「なんで招き入れたんだよ…」

福太郎「止める間もなく……いや、攻防戦の末、突破されて」

クロ「いやいや、なんでょっとカッコよく言いなおした。見てたし、普通に入られたの見てたし」

福太郎「クロはいけずやな」

クロ「うっせぇよ!」

幽香「ちょっと、騒ぐにしても声のボリューム落しなさいよ。メリーが起きるでしょ」

クロ「保護者かよ!」

幽香「なに?」
ゴゴゴゴッ…

クロ「笑顔で凄むなよ、コワイんだよ…」

福太郎「すげぇ、口でいうんやなくて擬音で「ゴゴゴゴッ」を表現できとる。」

クロ「何いってんだ?」

福太郎「世界の理にちょっとだけ触れてみたんよ」

クロ「だから何いってんだよ」

福太郎「クロ、俺のこと嫌いなん?いじめとるん?」

クロ「急に何だ…」

幽香「飼い主をあんまり苛めちゃ駄目よ?野良犬になっちゃうわよ?」

クロ「私への苛めをまずやめろ。」
20/100ページ
スキ