第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んっ、んーー……はぁ、やっぱり筋肉痛きたかぁ……」

クロ「第一声がそれか」

福太郎「んっ、クロおはよう。どないしてん、早いやん」

クロ「ホントにな……」

福太郎「あれ、幽香さんは?」

クロ「朝早くから起きて家の周りの土いじりしてるよ」

福太郎「あン人はエコで健康的かつ健全やな。朝早く起きて、身体動かして作業して」

クロ「妖怪が健康で健全手のも変だけどな」

福太郎「そぉ?りんねセンセは健康に気つこうとるっていうとったで?」

クロ「あいつは健康より生死の概念を少し考え直すべきだろ」

福太郎「健全な魂は健全な肉体からやろ」

クロ「あいつ結構不健全だろ」

福太郎「欲は人間の生きるガソリンやし」

クロ「人間じゃねーし」

福太郎「……」

クロ「なんだよ」

福太郎「いつのまにか立派なツッコミになったなぁ」

クロ「ほっとけ!」

福太郎「さーて、シャワー浴びよかなぁ」

クロ「あ、おい、今は……」

福太郎「んっ?」

ガチャ

幽香「……」

福太郎「……」

幽香「何かいいたいことは?」

福太郎「超、グラマー」

幽香「あら、ありがとう。」

ガンッ!
福太郎「がっ……」

幽香「ノックくらいしなさい。」

クロ「聞こえてねーよ。落ちてるもん」

幽香「えっ……殴っただけよ?」

クロ「アンタに殴られたら大抵の人間はノックアウトだよ。」

幽香「それでも相当手加減したんだけど…」

クロ「自分でいってただろ、脆弱でひ弱な人間だって」

幽香「なるほどねぇ。まぁいいわ。あとは任せたから」

クロ「私がかよ…」

幽香「汗を流したのに汗かきたくないもの」

クロ「アンタなら片手で摘みあげて連れていけるだろ……」

幽香「なんかいった?」

クロ「なんでもいいから服着ろよ。」


~数十分後~

福太郎「……はっ!?」

クロ「あ、起きた」

幽香「起きたわね。」

福太郎「んっ、んーー……はぁ、やっぱり筋肉痛きたかぁ。なんか顎まで痛いわぁ」

クロ「……え?」

福太郎「んっ、クロおはよう。幽香さんも」

幽香「おはよう。ところで、さっきのこと覚えてる?」

福太郎「さっき?」

クロ「風呂で……」

福太郎「んー?あ、そうや、昨日風呂やめて起きたらシャワー浴びようおもったとったんや。ちょい、風呂いってくる」

クロ「あ、あぁ…」

幽香「行ってらっしゃい」

クロ「……記憶飛んでるな」

幽香「面白いくらい貧弱ねぇ」
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