第伍夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

クロ「んんー、何か暇な一日だったな。」

すっきー『一日ってまだ夕方っすよ?』

クロ「夕方まで何もなかったらもう無いだろ」

メリー「ご主人様、ちゃんとご飯食べてるかな」

クロ「アレは平気だろ。何も心配するこたぁねぇよ」

すっきー『クロさんは心配してないっすね。ホント』

クロ「心配する理由が見あたらねぇんだもん。よく考えてみろよ?今まで吸血鬼とか鬼とか優香みたいな桁の違う妖怪が来てたんだぞ?そんなのと出会って無事なのに今さら何が怖いんだよ」

メリー「話しも聞かずにいきなり襲ってくる妖怪とか居るかもしれないじゃない」

クロ「電話かけて来ていきなり背後から刃物で襲いかかる妖怪とか?」

メリー「むー!!」

ひゅん!ひゅん!

クロ「刃物振り回すな。刃物を」

すっきー『ミニ妖怪戦争が勃発してるっス』

ぴんぽーん!

クロ「ん?客か?」

ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぽんぴぽんぴぴぴぴぽーん!

すっきー『超連打してるっす』

クロ「あいつか……」

ガチャ!

悠「よう」
ぴぴぴぽん!ぴぽん!

クロ「出たんだからチャイム押すのやめろよ!!」

悠「福ちゃんは?」

クロ「留守だよ。今日は帰らないぞ」

悠「マジでー」
ぴーんぽん…

クロ「だからチャイムで遊ぶな」

悠「せっかく面白いもの持ってきたのに」

クロ「面白いもの?」

悠「じやじゃーん、グローリーダイス」

クロ「サイコロ?それが面白いのか?」

悠「振って見たら分かる。」

クロ「お前が振ってみろよ」

悠「それはちょっと……」

クロ「渋ってる時点でおかしいな、おい。」

悠「うふふっ」

クロ「気色悪い」

りんね「あら、何してるの?」

悠「いや、メフィのおっさんから貰ったこのダイスで遊ぼうかと思ったんだけど福ちゃんがいないからしいらクロに振ってもらおうとしてたんだ」

クロ「絶対に振らないけどな」

りんね「メフィスト先生のサイコロ?」

悠「良かったら振ってみます?」

りんね「それじゃあ、一回だけ」

ころころ……超大凶

悠「あっ」

クロ「超……大凶?」

りんね「あら……らっ?」
バキン……ひゅん、ぐちゃっ!!

悠「……」

クロ「おい、手すりが壊れて下に落ちて、その上壊れた手すりが貫通してぐしゃぐしゃに潰れてるぞ…」

悠「このダイス、超大凶が一面しかないんだけどそれが出たら即死級の不幸が降りかかるらしいんだ。超大吉ならロトシックスに当たるレベルの幸運が出るけど」

クロ「アホか!あの女じゃなかったらマジで死んでるぞ!!」

りんね「ねー、ちょっとー足が飛んでっちゃったら拾ってくれないかしらー」

クロ「しかも、不幸が飛び火してるじゃねーか」

悠「振る?」

クロ「振らねーよ!」
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