第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー博麗神社ー

福太郎「んんー、あれ……ここどこやっけ?」

霊夢「博麗神社よ」

福太郎「……んっ、そやった。おはよう、霊夢ちゃん」

霊夢「のんきねぇ…」

福太郎「いや、霊夢ちゃんがうち来たときの方が……いや、ちゃうな」

霊夢「なに?」

福太郎「アレは呑気なんやなーて、ずぶとい神経……痛っ!」

霊夢「誰が守銭奴巫女よ!」

福太郎「いうてませんやん」

霊夢「じやあ、なんて言おうとしたの?」

福太郎「ずぶとい神経を持った植えた山賊、痛いっ!!」

霊夢「殴るわよ」

福太郎「殴ってますやん」

霊夢「今のは叩いたの、殴る場合はグーでボッコボコよ」

福太郎「ホンマに巫女さん?」

霊夢「遺憾ながら!」

萃香「霊夢を怒らしちゃ駄目だぞ。ボッコボコにされる程度なら一カ月ぐらいで治るけど、怒ったら陰陽玉を叩きつけて圧殺しようとしてくるから」

福太郎「ボッコボコがまだ可愛いレベルって怖いなぁ」

萃香「鬼に近い人間だからねぇ」

霊夢「誰が鬼よ!」

福太郎「しかし、まぁ、こんやゼロ時まではお世話になるんで優しゅうしたってつかぁさい」

霊夢「めんどくさいわねぇ」

福太郎「ウチ来たときにはさんざんご飯ごちそうしたのに」

霊夢「おいしかったわ!」

福太郎「そう返してきたか……」

萃香「それより朝ご飯にしようよ。熱燗がぬるくなっちゃうじゃないか」

霊夢「朝っぱらから飲むなっ!」

びゅゴン!ピチュン!

福太郎「あれ……萃香は?」

霊夢「そのうち戻って来るわよ」

福太郎「どうなったかは聞いてええこと?いかんこと?」

霊夢「……さっ、ごはん、ごはんっと」

福太郎「アカンことか……」

紫「世界には知らなくていいこともあるのよ」

福太郎「わぁ」

紫「相変わらず、驚いてる風にはいっさい思えないリアクションね」

福太郎「いきなり女が逆さ吊りで現れたら誰でも驚きますって」

紫「だから、そう見えないのよ。もっとこうあるでしょ?いきなり美少女が現れてるんだから」

福太郎「……んっ」

紫「なによその反応は!!」

福太郎「なんもいうてませんやん……」

紫「こほん、それでアナタなんで此処にいるの?」

福太郎「だいたいは予想つくんちゃいますのん?」

紫「聞いてみただけよ。それじゃ、またね」

福太郎「んっ、ほなまた」

霊夢「……」

福太郎「ん?霊夢さん、どないしましてん?」

霊夢「いや、紫といま話してたじゃない」

福太郎「んっ」

霊夢「連れて帰ってもらったらよかったんじゃない?」

福太郎「……」

霊夢「……」

福太郎「んー、ホンマや。」

霊夢「やっぱり呑気すぎるわ…」
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