第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー廃寺ー

ラム「まぁ、話しは分かったわ……けど、その話しには乗れないわね」

福太郎「ん?」

パチュリー「あら、何かお気に召さない?」

ラム「石にするっていう部分かしら」

パチュリー「つまり?」

ラム「それって呪をかけるってことでしょ?私は道士なのよ?だから、キョンシー化してる死体を預かってそれを解こうとしているのに呪いをかけて埋葬するなんて真似できると思う?」

福太郎「んー、なるほど」

パチュリー「もう呪がかかってるんなら、別の呪がかかってもいいじゃない」

福太郎「んー、確かに」

ラム「アンタはどっちの味方よ!」

福太郎「んー、俺はラムさんが楽になればええかとおもっとるから、ノーレッジさんかな」

ラム「……それはありがとう」

福太郎「いえいえ」

パチュリー「なにアンタらデキてんの?」

ラム「なっ///」

福太郎「ただの知り合いやで」

ラム「……」

クロ「そこはせめて友達って言ってやれよ」

パチュリー「ま、とりあえず現物を見せてもらえる?場合によれば解呪できるかもしれないし」

ラム「そういうことなら……まぁ、いいわ。この中よ」

パチュリー「お邪魔します」

福太郎「おじゃましまー」

クロ「……なんなんだこれ?」

ラム「こっち、この棺よ」

福太郎「なんやしばらく見ん間にお札だらけでめっちゃゴテゴテになっとりますやん」

ラム「一回、墨つぼで引いた結界をちぎられかけたのよ」

クロ「それ、もう完全にキョンシーになってないか?」

ラム「なってるわね」

クロ「……」

福太郎「え、ほんならコレ開けたら出てくるん?」

ラム「今は休眠状態で昼だから開けも出て来ないわ。」

パチュリー「あら、なら安心じゃない。幻想郷に居るキョンシーは昼夜問わずウロウロしてるわよ」

福太郎「それはそれでええのん?」

パチュリー「幻想郷だしね。」

ラム「幻想郷?」

パチュリー「あとで話してあげるから、とりあえず中見せて」

ラム「いいわ。開けて」

福太郎「んっ、クロそっちもって」

クロ「触れねぇよ」

福太郎「そーなん?」

クロ「まぁな」

福太郎「ほな、ひとりであけよか……よいしょっと」

ズズッ…

パチュリー「随分と妖気が溢れてるわね。」

ラム「これでも大分浄化したのに……きりがないわ」

福太郎「焼いてしもた方がええんとちゃいます?」

ラム「ぶっちゃけ、それが一番だわ」

パチュリー「ふむ……福太郎。」

福太郎「はい?」

パチュリー「石と水、ソレと桜の葉を持ってきて量はいらないから」

福太郎「んっ、クロ」

クロ「はいはい、分かってたよ。そういうのは私の役だってな!」
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