第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「そういえば……皆、ようこっちに来るけどなしてなん?」

パチュリー「他の人がどうかは知らないけど私は突き落とされた」

福太郎「突き落とされた?」

パチュリー「レミィに面白いものがあるからって、ある絵の前に連れていかれて急に背中を押されたのよ。そして気がついたら此処に来ていた。」

福太郎「んっ、なるほど。なかなか……」

パチュリー「酷いでしょ。友人にこういうことをするのが吸血鬼なのよ。面白いからって理由で」

福太郎「んー、でも友人なんや」

パチュリー「腐れ縁といってもいいわね。」

クロ「でもよ。アンタ魔女なんだろ?魔法使って帰れないのか?」

パチュリー「出来るかもしれないし、出来ないかもしれない。そんな危なっかしい方法で帰るより今日の零時になれば帰れるなら、安全な方法を選んだほうが顕然でしょ?」

クロ「そりゃなぁ……」

福太郎「ほんで、出かけます?」

パチュリー「どういう意味?」

福太郎「いや、こっち来るひとらって結構外の事に興味津々で日中うやけどレミリア嬢も出かけたからパチさんもどうかと思って」

パチュリー「パチっていうのやめなさい」

福太郎「パチュリーって呼びにくかったもんで……じゃあ、チュリーさん」

パチュリー「それなら「パ」もいいなさいよ!「パ」も!たった一文字じゃない」

福太郎「あははは」

パチュリー「……レミィが中途半端にうっとおしいっていってた理由が分かったわ」

福太郎「そんでノーレッジさん」

パチュリー「そっちの方が長いのになんでちゃんと最後まで言えてるのよ!!」

福太郎「まぁ、細かいことはええですやん」

パチュリー「誰かを物理的に殴りたいと思ったのは本当に久しぶりだわ」

福太郎「体術にも心得が?」

パチュリー「ないわ。」

クロ「即答だったな」

パチュリー「私の身体能力は並の人以下よ?」

福太郎「というと?」

パチュリー「自分でいうのもなんだけど魔力は相当だけど身体はただの病弱少女ってこと」

福太郎「あぁ、日蔭の少女萌えいうやつですか」

パチュリー「アナタのいってることがときどき分からない。っていうか、分かりたくない」

福太郎「んで、出かけます?」

パチュリー「めんどくさい」

福太郎「見事な引きこもりやな」

パチュリー「あ、でも……本があるところには行ってみたいわね。」

福太郎「歩かないけませんで?」

パチュリー「……飛んだらダメかしら?」

福太郎「浮遊はちょっと……。」

パチュリー「はぁ……。色々と面倒ね。」

福太郎「何事も経験ですって」

クロ「経験とかそういう話しか?ちょっと歩いて出かけるだけだろ」

パチュリー「仕方ないわね。行きましょうか。動けなくなったらおぶってちょうだい」

福太郎「安心して、なぁクロ」

クロ「私かよ!!」

福太郎「もしくは……乳母車」

パチュリー「呪うわよ」

福太郎「魔女が言うたらシャレにならん言葉頂きました」
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