第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……はぁ、さすがに夜中にバタバタするんはだるいなぁ。ただいまー、やけど起きとる?」

クロ「あぁ…おかえり」

メリー「お帰りなさーい、ご主人様」

すっきー『おかえりっす』

「おかえりなさい」

福太郎「んっ、みんな起きとったんやねー。いやー、今日はなんやバタバタしたわぁ……あれ?クロ」

クロ「あ?」

福太郎「メリーちゃん」

メリー「なーに?」

福太郎「すっきー」

すっきー『はい?』

福太郎「……アナタはだぁれ?」

目線の先には、長い紫髪の先をリボンでまとめ、紫と薄紫の縦じまが入った、ゆったりとした服を着て、さらにその上から薄紫の服を着、ドアキャップに似た帽子を被った少女がベッドに腰掛けていた。

パチュリー「随分と呑気な人ね…。私はパチュリー、パチュリー・ノーレッジよ。幻想郷から来たと言えば話しは済むのでしょう?そこにいる大神達にはそう説明されたけど」

クロ「犬扱いされない……!」

福太郎「あぁ、そっちの人かぁ」

パチュリー「私は人じゃなくて魔女よ。火水木金土日月を操る、ね」

福太郎「火水木金土日月?つまり…」

パチュリー「七耀の…」

福太郎「一週間少女やね!」

パチュリー「……」

クロ「お前って本当に怖いもの知らずだよな」

福太郎「まぁ、冗談はさておいてパチョリさん」

パチュリー「だれがシソ科ミズトラノオ属の植物である。ハーブの一つよ」

福太郎「あははは」

パチュリー「レミィが言っていた通りの人間ね……」

福太郎「レミリア嬢とお知り合いでっか?」

パチュリー「友人よ」

福太郎「ドアノブコンビ?」

パチュリー「誰がドアノブカバーよ」

福太郎「あはは」

パチュリー「はぁ……」

福太郎「随分と落ちついてはりますね」

パチュリー「そちらこそ随分と飄々としてるわね」

福太郎「いい加減慣れてきたもんで」

パチュリー「私も別に無事帰れればいいから」

福太郎「なるほどー」

パチュリー「……」

福太郎「……」

パチュリー「……」

福太郎「お茶でもいれましょか?」

パチュリー「紅茶有るかしら?」

福太郎「ティーパック物で良かったら」

パチュリー「えぇ、構わないわ。それと、何か本を貸してもらえない?」

福太郎「押し入れの中にあるもんでよかったら好きに読んでつかぁさい」

パチュリー「ありがとう」

クロ「……やりにくい」

福太郎「今までの娘らとちょっと感じがちゃうよな……むしろ、これが普通なんやろか?」

パチュリー「十人十色よ」

福太郎「あら、聞こえてらした。」

パチュリー「この距離なら普通に聞こえるでしょ」
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