ｰ福太郎の部屋ｰ

由乃「備品の補充はこんなところですね」

福太郎「んっ、ご苦労様。」

由乃「いえいえ、お仕事ですから!」

福太郎「ははっ、時間ある?お茶呑んでいかへん?」

由乃「どゃあ、お言葉に甘えて……あ、そういえばクロさんは?」

福太郎「んー、近くの農園でがんばってくれとるはずやで」

由乃「わー、半分他人事ですね」

福太郎「クロは言葉使いと態度さえ大目に見たら真面目やからね。ほっといても平気なんよ」

由乃「福太郎さんは自由に面倒見るタイプですもんね。」

福太郎「んっ、何事も経験してみな主義やし。っでも、俺は事なかれ主義」

由乃「あははっ。そんな感じですね。」

コンコン…

福太郎「ん?はーい?」

ラム「やっ」

福太郎「あれ……誰もおらん?」

ラム「おい、お前。今一回した見ただろ。関西人だからっていちいちボケんな」

福太郎「んっ、怖っ……。どないしたんです、チンチンさん」

由乃「ブッ…!」

ラム「チンチンいうな!誰か居るんでしょ!吹きだされたじゃない!聞かれたじゃない!」

福太郎「まぁまぁ。今ちょうどお茶淹れてるんでどうぞ」

ラム「っ……お邪魔します。」

由乃「こんにちは。」

ラム「こんにちは。ラムといいます」

由乃「大車由乃といいます。ラム、ちゃんでいいかな?」

ラム「……」

福太郎「あはは。ラムさんの方がええかな。由乃ちゃんのが年下やし」

由乃「えっ?」

福太郎「ラムさん、俺と同い年なんよ」

由乃「ええっ!そうなんですか!ごめんなさい!」

ラム「いえ、いいのよ……慣れてるから」

福太郎「ちなみにこちらは歪業をサポートしてくれとって、逆にこちらは襖係のバイトしとるらしいよ」

由乃「そうなんですか。それはご苦労様です」

ラム「いや、私は本当にたまにのバイトだから。それよりもみたところまだ学生なのに歪業に関わってる貴女こそ凄いわね。」

由乃「そんな……まだまだです」

福太郎「いやー、そんなことないと思うで。半人前いうんやったら俺の方やし」

ラム「えっ、長いんじゃないのこの仕事」

福太郎「んーん、まだ数か月」

ラム「その落ち着きで?」

福太郎「んー、まぁそうです」

由乃「福太郎さんてなんて言うかのほほってしてるのに肝が据わってますから」

福太郎「いやー、ビビりですよ?まぁ、それは置いといて……ラムさん、なんかご用だったんですか?」

ラム「あっ、そうそう。ちょっとお願いがあるの」

福太郎「はい?」

ラム「実はキョンシーの輸送が急きょはいってね。手伝って欲しいの」

福太郎「えー……数日前に三体も移動したばっかりですやん」

ラム「知ってる?無縁仏って年間で全国で3万5000件以上でてるの。」

福太郎「んー……それで結構なかずやね。」

ラム「引き取り拒否の実態生活保護を受給している身寄りのない人は全部無縁仏として埋葬されるからね。」

福太郎「なるほど……まぁええですけど、バイト料は?」

ラム「ちゃんと出すわ」

福太郎「ほんなら、お手伝いしますわ」