第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ほんで、どないしますん?」

ラム「なにが?」

福太郎「いや、めっちゃ寛いではりますけどあの放置したキョンシーとか色々」

ラム「放置してない、保管してるの」

クロ「半分は死体遺棄だろ」

ラム「遺棄してないでしょーが!」

すっきー『まぁまぁ、落ち着いてくださいっス』

ラム「まぁでも、そろそろ帰ろうかしら。お風呂入りたいし、二度寝したいし」

福太郎「寝る子は育つ……かな」

ラム「せ、成長期過ぎたってのびるわ!!絶対……絶対に……」

クロ「やめてやれよ……なんかめちゃ悲痛な叫びだぞ」

福太郎「すんません」

ラム「謝るなッ!」

福太郎「ほな、いっしょに出ますか。俺も買いもんいかなあかんし」

ラム「じゃあ、そうしましょうか」

クロ「いってら」





ー池袋界隈ー

福太郎「ラムさんて……」

ラム「なに?」

福太郎「めっちゃ靴上げ底なんやね」

ラム「外でてしみじみ言うな!」

福太郎「いや、せやって結構のびたでハイヒール履いたレベルで」

ラム「ヒールはダメよ。」

福太郎「そらまぁ、キョンシー追いかけたりするとき走れへんもんね」

ラム「普通にこけるのよ」

福太郎「……」

ラム「……」

福太郎「そ、ソフトクリームでもたべる?」

ラム「おい、肩震わせてんなこっち向け。あと、子供扱いするなコラ」

福太郎「いや、すんません。つい」

ラム「ついとかいわれるのが一番性質悪い」

福太郎「性質悪いついでにもうひとつええですか?」

ラム「何よ」

福太郎「車の免許もっとります?」

ラム「……もってるけど」

福太郎「チャイルドシート?」

ラム「違うをボケッ!」

ガスッ!
福太郎「痛っ~……あきませんて、脛蹴るんわ」

ラム「うっさい!」

警官「ちょっと、ちょっと何してるの?アンタ」

福太郎「へ?」

警官「今、この子になにしたの?」

福太郎「んっと、何というかちょっとからかって……」

警官「この子のお兄さん?父親にしては若いよね……。まさか、誘拐目的とかじゃ……」

ラム「ちっ……ちょっとあんた。私は子供じゃないから。ホラ」

警官「えっ……免許……えっ、これ本物?えっ?」

福太郎「らしいです、はい。」

警官「こ、これは失礼しました……はは。」

福太郎「いやー、助かったわ。危うく連行されるところやった」

ラム「分かったでしょ……何を置いても免許取ってなきゃいけない理由」

福太郎「中学高校大変やったんでは?」

ラム「ふっ、制服でも私服でも声掛けのオンパレードだったわ……。小学生がこんな時間に何してるとか、ファミレスはいったら小さいお子様ひとりでのご利用はちょっととか……ふふっ、ふふふっ」

福太郎「んー、闇が渦巻いとる」
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