第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋界隈ー

レミリア「……なんだかごちゃごちゃしてるところねぇ」

福太郎「お嬢さま、少々よろしいでしょうか?」

レミリア「なに?」

福太郎「人間の目に触れたらアカンので羽はないないしといてくださいっていうたはずですよね俺」

レミリア「なんで私がそんな窮屈なことしなくちゃいけないのよ」

福太郎「……ま、ええですけど。コスプレ大好きなアメリカン幼女と思われるだけやろし」

レミリア「何故かしら今背筋に冷たい物が走ったわ」

福太郎「汗やない?今日はやたらぬくいし」

レミリア「あ、ねぇアレを食べたいわ」

福太郎「ん?」

ゆうな「ゆえ、ソフトクリーム美味しい?」

ゆえ「ばけついっぱいたべたい……」

ゆうな「今度お父さんにおねだりしようね」

ゆえ「はあく……」

福太郎「アレってソフトクリーム?」

レミリア「えぇ。味はそうね……ブラッ」

福太郎「血液味は無いで?」

レミリア「……普通のでいいわ」

福太郎「んっ、それやったら買うたげるわ」


~ソフト購入中~


レミリア「フクタロウも買ったの?」

福太郎「見てたら食べたぁなってん。どうせレミリア嬢はひと口ちょうだいいうてもくれへんやろ?」

レミリア「跪いて懇願したらあげるわよ」

福太郎「おかしいな……買うたんは俺やのになぜか懇願を強要される矛盾」

レミリア「そういうのが好きなんでしょ?」

福太郎「えー、俺がいつM体質なんていいました?」

レミリア「ふむ、中々いい味ね。咲夜にも引けを取らないわ」

福太郎「んっ、テンプレ的な無視。もしかしてこれが小さな仕返しなんやったら。可愛いもんやなぁ。それやったらソフトクリーム買ったげたんもプラスゃなぁ。まぁ、仕返しではないと思うけどなぁ」

レミリア「聞こえてるわよ!」

福太郎「聞こえるようにいうてますもん」

レミリア「あ、アナタねぇ……」

福太郎「まぁまぁ、そんなに額に青筋立てたらかわええ顔が台無しですよ」

レミリア「ふんっ、可愛いなんて思ってない癖に」

福太郎「いや、かわええやろ。レミリア嬢は」

レミリア「……ふーん、まぁ、お世辞程度に聞いといてあげるわ」
パタパタ

福太郎「レミリア嬢って分かりやすいっていわれへん?」

レミリア「どういう意味よ」

福太郎「犬って喜んだりしたらめっちゃ尻尾振るんよ」

レミリア「はぁ?だからなに?」

福太郎「めっちゃ羽がパタパタしてたで」

レミリア「……」

福太郎「……」

レミリア「っ///!!」

ブンッ!ブンッ!

福太郎「ちょっ!日傘、振りまわ、さんと、痛いっ!?」

レミリア「はぁはぁ、傘だったのを感謝なさいっ!本当ならグングニルよ!グングニル!」

福太郎「なんやよーわからんけど命拾いしたんはわかりましたわ」

レミリア「ふんっ、それで次はどこに連れていってもらえるのかしら」

福太郎「んっ、まだ出かけるんや……」

レミリア「何か言った?」

福太郎「いやいや、なんでもあらへんよー」
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