第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んんー……なんや昨晩は妙に寝苦しい夜やったなぁ。ん?なんやこれ……んん?」

グィッ!こちょこちょこちょこちょ

「……んっ、んーんー……!」

福太郎「むっ、どうやら。足で間違いないようやな。はて、なんで人の足が俺の目のまえに……」

クロ「なに寝ぼけてんだお前。っていうか、誰だソレ?」

福太郎「んぁ?誰て……んん?」

色白の少女「すぅすぅ」

福太郎「……クロ産んだ?」

ゴンッ!

クロ「目覚めたか?」

福太郎「誰かに頭どつかれたんはいつぶらいやろか……」

クロ「で、話しを戻すぞ。誰だそいつ」

福太郎「んー、覚えがないなぁ。昨日寝た時にはこんな娘おらんかったし……俺も産んだ覚えは無いし」

クロ「もう一発殴っとくか?」

福太郎「朝からポカポカ叩こうとせんの。お嬢さん、お嬢さん」

ぺしぺし、ぺしぺし
色白の少女「んんっ……なによ。まだ昼間でしょ。」

福太郎「昼間言うか朝やから起きるもんなんやけど……ちょっと起きてくれへんかな」

色白の少女「もぉー、なんなのよ……って、誰?どうやって私の寝室にもぐりこんだの?」

福太郎「いや、ここは俺の部屋なんやけど」

色白の少女「は?何をいって……って、言われてみたらずいぶんと狭い部屋。」

福太郎「はははー、言うてくれるなぁ」

色白の少女「ここはどこなの?」

福太郎「夢見長屋いうアパートの一室」

色白の少女「夢見長屋……聞いたことないわね。人里?」

福太郎「人里いうか……池袋?」

色白の少女「イケブクロ?袋の話しなんかしてないのだけど」

福太郎「なんとなく読めてきたけど、もしかしてお嬢さんは幻想郷のひと?」

レミリア「おかしなことを聞くわね。私はレミリア、レミリア=スカーレット。紅魔館の主よ」

福太郎「俺は御堂福太郎、この部屋の屋主や。」

クロ「張り合うなよ」

レミリア「それでフクタロウ。私の現状を説明なさい」

福太郎「えーとですねぇ……」


~現状説明中~


レミリア「なるほど、つまりここは外の世界というわけ。」

福太郎「そーいうこと。」

レミリア「しかし、おかしいわね。私は昨日、博麗神社になんて行ってないのだけど」

福太郎「んー、その辺のことは俺もようわからんのやけど」

レミリア「ま、いいわ。それじゃあ。私は寝るから」

福太郎「寝るんや」

レミリア「こんな朝早くから起きてるなんてお肌に悪いわ。」

クロ「幼女が何いってるんだか……しかも、早起きが肌に悪いって」

福太郎「吸血鬼はそうなんやねぇ」

レミリア「そうそう。紅茶の準備をしておきなさい。私は寝起きは紅茶と決めてるの」

福太郎「梅こぶ茶じゃアカンかな」

レミリア「アナタは目覚めのいっぱいを梅こぶ茶でいいと思うの?」

福太郎「嫌やな。買いに行ってこよか」
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