第肆夜『福太郎の不思議な日常』
ー池袋界隈ー
福太郎「んー、こうやってひとりで歩くんも久々やな~」
滝田「おや、こんにちは」
福太郎「んっ?あぁ、こらどうも」
滝田「散歩ですかな?」
福太郎「んっ、ちょっと息抜きに……せや、クロはどうです?ちゃんとしとります?」
滝田「えぇ、ちゃんと働いてくれてますよ。」
福太郎「んっ、それはよかった」
「なにをしているんです!」
滝田「おっ?喧嘩かな」
近衛「ガミガミ!」
伊左衛門「……」
福太郎「あれは……」
滝田「知り合いかい?」
福太郎「えぇ、ちょっと失礼します」
滝田「ああ、またね。」
福太郎「こんにちは、あの……」
近衛「ああ、御堂さん。こんにちは。」
福太郎「なんや、穏やかなないですね……」
近衛「えぇ、伊左衛門さんが気を抜いて街中で尻尾を出してしまったんですよ……まったく。」
福太郎「些細なミスですやん。」
伊左衛門「福太郎さん……!あっ、そうだ。あの、この前、僕のことを見てくれたお礼です。腕輪……ええと、ミサンガでしたっけ。手芸ぐらいしかまだ取り柄がなくてこんな物でしかお礼出来ませんが着けてくださると嬉しいです。」
伊左衛門が差し出したのは狸の毛柄をイメージしたようなカラーの可愛らしい腕輪(ミサンガ)だった。
福太郎「んっ、ありが……」
近衛「やめてください」
伊左衛門「え……」
近衛「普通お礼というのは菓子折りなどを持っていくものです。ブレスレットなんてつけるのを強制するような物は非常識ですよ」
伊左衛門「旭さんいつもそうですね……あなたの元に来て毎日毎日ずっと否定される身にもなってください……」
福太郎「……」
近衛「……伊左衛門さんはすぐ泣きますよね。人前で泣いて恥ずかしくは無いんですか?そうやって周りを困らせることがダメだとあれほどお伝えしたじゃないですか」
伊左衛門「……ぁ」
近衛「はい?」
伊左衛門「あ゛なたでなぐ福太郎ざんが担当だったらよ゛がっだ……!!ひっくひっく……!」
伊左衛門は本気で泣きだして走りだしてしまった。
福太郎「伊左衛門くん!」
近衛「帰ります」
そういうと本当に伊左衛門とは逆方向に踵を返して歩きだした。
福太郎「ちょ、近衛さんまで!待ってくださいて!」
近衛「伊左衛門さんを追いかけなくていいんですか?あなたに担当してもらいたがってたじゃないですか」
福太郎「せやけど、アナタの方がすごく辛そうやから」
鉄面皮とも思えた顔だが、動揺、焦り、さまざまに辛い感情が混ざったような表情で固まってしまっている。
近衛「僕は……間違っていない…」
福太郎「せやったら、少しお話しええですか?お手間は取らせませんから、ね?」
近衛「……」
福太郎「んー、こうやってひとりで歩くんも久々やな~」
滝田「おや、こんにちは」
福太郎「んっ?あぁ、こらどうも」
滝田「散歩ですかな?」
福太郎「んっ、ちょっと息抜きに……せや、クロはどうです?ちゃんとしとります?」
滝田「えぇ、ちゃんと働いてくれてますよ。」
福太郎「んっ、それはよかった」
「なにをしているんです!」
滝田「おっ?喧嘩かな」
近衛「ガミガミ!」
伊左衛門「……」
福太郎「あれは……」
滝田「知り合いかい?」
福太郎「えぇ、ちょっと失礼します」
滝田「ああ、またね。」
福太郎「こんにちは、あの……」
近衛「ああ、御堂さん。こんにちは。」
福太郎「なんや、穏やかなないですね……」
近衛「えぇ、伊左衛門さんが気を抜いて街中で尻尾を出してしまったんですよ……まったく。」
福太郎「些細なミスですやん。」
伊左衛門「福太郎さん……!あっ、そうだ。あの、この前、僕のことを見てくれたお礼です。腕輪……ええと、ミサンガでしたっけ。手芸ぐらいしかまだ取り柄がなくてこんな物でしかお礼出来ませんが着けてくださると嬉しいです。」
伊左衛門が差し出したのは狸の毛柄をイメージしたようなカラーの可愛らしい腕輪(ミサンガ)だった。
福太郎「んっ、ありが……」
近衛「やめてください」
伊左衛門「え……」
近衛「普通お礼というのは菓子折りなどを持っていくものです。ブレスレットなんてつけるのを強制するような物は非常識ですよ」
伊左衛門「旭さんいつもそうですね……あなたの元に来て毎日毎日ずっと否定される身にもなってください……」
福太郎「……」
近衛「……伊左衛門さんはすぐ泣きますよね。人前で泣いて恥ずかしくは無いんですか?そうやって周りを困らせることがダメだとあれほどお伝えしたじゃないですか」
伊左衛門「……ぁ」
近衛「はい?」
伊左衛門「あ゛なたでなぐ福太郎ざんが担当だったらよ゛がっだ……!!ひっくひっく……!」
伊左衛門は本気で泣きだして走りだしてしまった。
福太郎「伊左衛門くん!」
近衛「帰ります」
そういうと本当に伊左衛門とは逆方向に踵を返して歩きだした。
福太郎「ちょ、近衛さんまで!待ってくださいて!」
近衛「伊左衛門さんを追いかけなくていいんですか?あなたに担当してもらいたがってたじゃないですか」
福太郎「せやけど、アナタの方がすごく辛そうやから」
鉄面皮とも思えた顔だが、動揺、焦り、さまざまに辛い感情が混ざったような表情で固まってしまっている。
近衛「僕は……間違っていない…」
福太郎「せやったら、少しお話しええですか?お手間は取らせませんから、ね?」
近衛「……」