第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「そういや悠は武将好きやけど、黒田管兵衛って詳しい?」

悠「どの黒田半兵衛だ?」

福太郎「どの?」

悠「どの」

福太郎「どのって……え、黒田管兵衛って数人おるん?」

悠「実在、戦国無双、戦国バサラ、戦国恋姫……」

福太郎「実在ので」

悠「若くして大名小寺家の家老を務める頭はいいのに運の悪い武将だな。ちなみに祖父は目薬屋だ」

福太郎「ほうほう」

悠「ちなみに奥さんの「光」は15で嫁に来て、その一年後に松寿丸が生まれたんだぞ。しかも側室を持つのが普通だった時代でその奥さん以外妻を持たなかったラヴラヴっぷり」

福太郎「ホンマに武将好きなんやな」

悠「最初は真田幸村、そこから織田さん色々へて今は松永弾正か宇喜多直家がいいな」

福太郎「どんな人ら」

悠「片方は裏切りが好きな爆弾魔で片方は毒殺銃殺だまし討ち暗殺大好きさん」

福太郎「どっちもどっちやなぁ」

悠「あの時代は突飛して頭おかしい人らのが凄いんだよ」

クロ「お前生まれてくる時代間違えたんだな」

悠「どういう意味だ。タマネギ食わすぞ」

クロ「犬扱いすんな!タマネギくらい食ったって平気だよっ!!」

福太郎「あっ、そや。悠カカオ居る?」

悠「カカオ?」

福太郎「んっ、バレンタインに貰ったんやけど使い道がピンとこんのよ」

悠「カカオって生?」

福太郎「んーん、ココアパウダーになっとるよ」

悠「それならもうココアで飲んだらどうだ」

福太郎「それも芸がないなーって」

悠「ふむ、だとしたらマフィンに使ったりココアフレンチトースト、クッキー、パウンドケーキとかに使えるかな」

福太郎「んっ、やっぱり悠に渡すんが正解っぽいな」

悠「バレンタイン終わったのに作れと」

福太郎「メリーちゃんは何が食べたい?」

メリー「パウンドケーキ!」

福太郎「やって」

悠「作れと……」

クロ「どうせヒマしてるんだから作ってやればいいだろ」

悠「お前におれの子供を作らせたろか」

クロ「ブッ殺すぞ」

悠「ダメか」

福太郎「勢いでいうたらどうにかなるおもたん?」

悠「ちょっと」

クロ「脳みそ腐ってのか」

悠「ぎりぎり大丈夫だと自負してる」

クロ「ぎりぎりアウトだろ」

悠「そうかなぁ?」

福太郎「んー、部分部分痛んどるんちゃう?」

悠「なるほど」

メリー「なっとくなの?!」

クロ「そういうところが腐ってんだよ」

悠「物によっては腐りかけの方が美味しいじゃないか!」

クロ「テメーは喰いもんでも食えたもんでもねぇだろ!」

悠「怒られた」

福太郎「ケーキ作ってきてくれたらきっと機嫌もなおるよ」

悠「あー、っか、福ちゃんが喰いたいだけじゃね?」

福太郎「それもある。」

悠「そういう素直なところ好きだわ」
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