第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「珈琲メーカー欲しいな」

クロ「珈琲メーカー?」

悠「インスタントが美味いのに」

福太郎「悠は珈琲インスタントが好きなん?」

悠「一番好きなのは普通に売ってる缶コーヒーかな。」

クロ「でもお前、茶葉とかに拘るタイプじゃなかったか?」

悠「お茶にはな。紅茶とかは普通にノータッチだ」

メリー「でもでも、ご主人様ってそんなにたびたび珈琲のまないよね」

福太郎「んっ、まぁメインはお客さんに出す用かな。俺はたまーに美味しいんを呑めたらええし」

悠「欲があるかないか分かんない感じだな」

福太郎「んー、そうかな。ある意味贅沢やと思うんやけど」

悠「福ちゃんの場合欲のレベルがそうとう薄い」

福太郎「ははっ」

すっきー『でも、福さんてホントになににお金使ってるんスか?』

福太郎「んー、絵の道具かな」

悠「なにが?」

クロ「すっきーが福太郎の金の使い道を聞いたんだよ」

悠「違うんじゃね?」

福太郎「っていうと?」

悠「金の使い道は……クロの酒代」

クロ「うるせぇよっ!」

福太郎「それは必要経費?」

クロ「お前も変なフォローいらねぇよ!!」

福太郎「フォローとかでは別になかったんやけど」

悠「酒代がなかなか豪快だな」

クロ「神にお神酒を奉納するのは当たり前のことだろ」

悠「……神?」

クロ「私だよ!その誰が?みたいな顔やめろ!」

後楽「おじさんだって必要経費だぞ」

福太郎「あらま……」

クロ「どっから沸いて出た」

悠「その口を二度と開かない程度に顔面整形してやる。なに礼はいらない」
ゴォォォォォ!

後楽「兄ちゃん、落ちつこうぜ。なんか戦闘民族みたいな闘気を纏うのはよくないぜ」

悠「今のおれはスーパーゴッドを超える」

福太郎「神VS神やね。」

悠「あれ、結構よかったよな」
ガシッぐぐっ…

福太郎「ピラフとかもでとったしね」

後楽「おじさんの首しめながら話すのはやめてくれるかな」

悠「あぁ、いま頸椎を折ってやる」

福太郎「ウチの中ではちょっと」

悠「ちっ、福ちゃんに免じて許してやる。」

後楽「最近の兄ちゃんは本気な時があるから怖いぜ」

悠「お前がちょくちょく娘から小遣いせびってるのを知ったからな。おれはともかく娘にはちゃんと返せよ」

後楽「馬券が当たったら倍にして返すって」

悠「……」
こぉぉぉぉ……

福太郎「わぁ……静かなのに濃厚な殺意」

クロ「お前も……けっこう大変なんだな」

悠「ぶっちゃけ同じ獣妖怪でここまで違うんだからな……福ちゃんが超羨ましいよ」

福太郎「まぁ、後楽さんの場合は本質が善妖ちゃうしね」

クロ「いや、私とそこの狸ジジイを同列にするな」
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