第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

メリー「ご主人様!ご主人様ー!」

福太郎「んー?どないしてん?」

メリー「外見て、外」

福太郎「んんー?……こりゃまた大雪やな」

メリー「ねー、すごい真っ白なの!」

すっきー『凄いっすね。稀に見る大雪っす』

福太郎「これは今日は出かけられんなぁ」
ひゅおぉー…

クロ「窓閉めろよ。窓、吹きこんでるぞ」

福太郎「クロ、外でて走りまわったらアカンよ。」

クロ「走り回らねぇよ!」

メリー「でも、ちょっとお外行きたいわ」

福太郎「メリーちゃんは元気やな。ほな、ちょっとだけやで」

メリー「わーい」

クロ「行くのかよ……。」



ー夢見長屋:前ー

メリー「きゃー、冷たーい!」

クロ「あんまり離れんなよ。埋まったら遭難するぞ」

福太郎「これは冗談抜きで大雪やな……ん?」

クロ「どした?」

福太郎「なんか、そこの雪だけ色着いてない?」

クロ「はぁ?色?」

メリー「あっ、ホントピンク色だわ」

福太郎「なんやろ。いちごシロップかな」

クロ「っなわけあるかよ」

福太郎「せやねー……んー?」

掘り掘り
りんね「……」

福太郎「……」

りんね「……」

埋め埋め
りんね「あっ、埋めないで!助けて!」

福太郎「なにやっとるんスか……?」

りんね「あのね、あのね、雪が降ってるから見に行こうと出たらこけちゃって埋まっちゃったの。自力で出ようとしたらなんか手足が動かなくなっちゃって……てへ☆」

福太郎「死後硬直……」

クロ「冷凍保存……」

メリー「って、掘り出してあげないと本当に死んじゃうわ!」

福太郎「んー、せやね。よいしょっ!」

ズルル
りんね「はぁー、助かったわ」

福太郎「キンキンですやん。クロ、足もったって」

クロ「なんで朝からこんなことしてんだ……」

りんね「悪いわねぇ」

福太郎「これ、誰かに見られたら警察沙汰なんやろうな」

クロ「死体遺棄だもんな」

りんね「ふふっ、面白い冗談ね」

メリー「冗談どころじゃないと思うの……。」

福太郎「これ、湯にでも漬けな溶けそうにないな」

りんね「やーん///」

クロ「ヤカンで湯沸かして頭からぶっかけてやれ。」

福太郎「そーしょうか」

りんね「せ、せめてシャワーにして」

福太郎「……クロ」

クロ「私かよ……。」

りんね「手間をかけるわねぇ。」

クロ「本当だよ……。」

福太郎「うー、寒い寒い。雪って怖いなぁ」

メリー「ほんとねぇー」
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