第肆夜『福太郎の不思議な日常』
ー夢見長屋前ー
一夜明けて雨雲はどこへやらの本日は大晴天になった。
福太郎「んーーー、旅立ちの門出に相応しい天気やな」
雲太郎「本当昨夜とは大違いですね。色々とお世話になりました」
福太郎「いやいや、俺は今回何もできませんでしたし……足を挫いただけ」
雲太郎「それにしても由乃さんあなたは強い人ですね」
由乃「そんなことないですよ」
話していると雨次郎が出てきた。
雨次郎「……」
由乃「あ……」
雨次郎は由乃の顔をジッと見たあと視線をそらして小さくつぶやいた。
雨次郎「…………悪かった」
由乃「いいえ」
福太郎と由乃に改めて雲太郎と婚約者の佳世は頭を下げてお礼を言う。
雲太郎「ありがとうございました」
佳世「お世話になりました。そして、改めてよろしくね雨次郎君」
雨次郎「まだ認めてないぞ!お前が本当に兄上に相応しいか見定めてやる!!」
佳世にビシッと指を突き付けて威嚇するも、それはそれはにこやかに笑って佳世は返事をする。
佳世「はい!」
雲太郎「あはは、佳世は手ごわいぞ!」
雨次郎「チッ」
雲太郎「……雨次郎」
舌打ちをこぼして歩いて行く雨次郎の襟首を掴んで雲太郎は自分方へと引き寄せた。
雨次郎「ぐぇっ……いたいいたいなんだ……」
雲太郎「今まで寂しい思いさせてごめんな」
雨次郎「ばっ、離せ!!」
湯気でも出そうなほど赤面で雨次郎は兄の腕を振り払う。
雲太郎「照れるなよ。あぶないな…」
雨次郎「照れてない!!ハッ……」
振り返ってみるとこれまたにこやかに笑うふたり。
福太郎「にこー」
由乃「にこー」
雨次郎「おい!歪屋!!何笑ってんだ!」
福太郎「ははっ」
由乃「うふっ」
雨次郎「おい!笑うなって!バっ、馬鹿にするな!!」
由乃「違うの馬鹿にしてるとかじゃなくて……ふふっ。」
福太郎「あははは」
雨次郎「笑うなって!!」
由乃「ちがうの……顔が真っ赤なんだもん微笑ましくって……ふふっうふふっ」
雨次郎「……わ、わわ、笑うなーーーッ」
大空に声が響き渡ったのだった……。
ー百鬼襖の部屋ー
三人を見送った後、福太郎と由乃は部屋の掃除にとりかかっていた。
福太郎「すんません、そっちの荷物お願いします。少しずつ出ええんで」
由乃「はーい」
大きなダンボールを四つ積んで走っている由乃が目に入り慌てて止める。
福太郎「ちょ、危ないっ!またそんなに持って」
由乃「へっ?」
福太郎「へ?じゃなくてまたいっぺんにそんなに……」
由乃「今回はあまり重くないし大丈夫!!荷物多いんだから早く運んじゃわないと!」
福太郎「元気いっぱいやな~どないしてん?」
由乃「あの時、福太郎さんがいってたことが分かったの。私は最初から両親にああいってもらいたかったんだなって私がどこにいるかなんて最初から分かってたんだって。前よりも自分の中の人間と妖怪の部分を好きになれそう!」
一夜明けて雨雲はどこへやらの本日は大晴天になった。
福太郎「んーーー、旅立ちの門出に相応しい天気やな」
雲太郎「本当昨夜とは大違いですね。色々とお世話になりました」
福太郎「いやいや、俺は今回何もできませんでしたし……足を挫いただけ」
雲太郎「それにしても由乃さんあなたは強い人ですね」
由乃「そんなことないですよ」
話していると雨次郎が出てきた。
雨次郎「……」
由乃「あ……」
雨次郎は由乃の顔をジッと見たあと視線をそらして小さくつぶやいた。
雨次郎「…………悪かった」
由乃「いいえ」
福太郎と由乃に改めて雲太郎と婚約者の佳世は頭を下げてお礼を言う。
雲太郎「ありがとうございました」
佳世「お世話になりました。そして、改めてよろしくね雨次郎君」
雨次郎「まだ認めてないぞ!お前が本当に兄上に相応しいか見定めてやる!!」
佳世にビシッと指を突き付けて威嚇するも、それはそれはにこやかに笑って佳世は返事をする。
佳世「はい!」
雲太郎「あはは、佳世は手ごわいぞ!」
雨次郎「チッ」
雲太郎「……雨次郎」
舌打ちをこぼして歩いて行く雨次郎の襟首を掴んで雲太郎は自分方へと引き寄せた。
雨次郎「ぐぇっ……いたいいたいなんだ……」
雲太郎「今まで寂しい思いさせてごめんな」
雨次郎「ばっ、離せ!!」
湯気でも出そうなほど赤面で雨次郎は兄の腕を振り払う。
雲太郎「照れるなよ。あぶないな…」
雨次郎「照れてない!!ハッ……」
振り返ってみるとこれまたにこやかに笑うふたり。
福太郎「にこー」
由乃「にこー」
雨次郎「おい!歪屋!!何笑ってんだ!」
福太郎「ははっ」
由乃「うふっ」
雨次郎「おい!笑うなって!バっ、馬鹿にするな!!」
由乃「違うの馬鹿にしてるとかじゃなくて……ふふっ。」
福太郎「あははは」
雨次郎「笑うなって!!」
由乃「ちがうの……顔が真っ赤なんだもん微笑ましくって……ふふっうふふっ」
雨次郎「……わ、わわ、笑うなーーーッ」
大空に声が響き渡ったのだった……。
ー百鬼襖の部屋ー
三人を見送った後、福太郎と由乃は部屋の掃除にとりかかっていた。
福太郎「すんません、そっちの荷物お願いします。少しずつ出ええんで」
由乃「はーい」
大きなダンボールを四つ積んで走っている由乃が目に入り慌てて止める。
福太郎「ちょ、危ないっ!またそんなに持って」
由乃「へっ?」
福太郎「へ?じゃなくてまたいっぺんにそんなに……」
由乃「今回はあまり重くないし大丈夫!!荷物多いんだから早く運んじゃわないと!」
福太郎「元気いっぱいやな~どないしてん?」
由乃「あの時、福太郎さんがいってたことが分かったの。私は最初から両親にああいってもらいたかったんだなって私がどこにいるかなんて最初から分かってたんだって。前よりも自分の中の人間と妖怪の部分を好きになれそう!」