第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「福ちゃん、すっきーどの辺居る?」

福太郎「えーと……」

すっきー『ふるふる!ふるふる!』

福太郎「……」

悠「視線の動きからしてこの辺りかな」

ずぼっ!
すっきー『みぎゃーー!なんで、正確に服の隙間に腕突っ込んで来るんスかーー!!!』

悠「どう?」

福太郎「クリティカルヒットやな」

すっきー『ひーん、また揉まれたっスー!福太郎さん、あのひと本当に見えてないんですか!!』

福太郎「見えてないはずやで」

すっきー『冷静にネットしてないで止めてくださいっスーー!!』

悠「なんか面白いのあった?」

福太郎「こんなんあったで」

すっきー『やりっぱなしであたしのことは放置っすか!!』

悠「えーと、なになに?」

~都市伝説~
『赤い紙青い紙』

とある生徒が、学校のトイレで用を足し終えて、拭こうとすると紙がなかった。困っていると、奇妙な声が「赤い紙と青い紙、どっちが欲しい?」と言ってきた。生徒は怖くなったが、紙も欲しいので恐る恐る「赤い紙が欲しい」と答えた。

翌朝、トイレで血まみれで真っ赤になって死んでいる生徒が発見された。

しばらくして、また別の生徒が我慢できず、そのトイレで用を足した。すると再び「赤い紙と青い紙、どっちが欲しい?」と声がしてきた。前の生徒の話を知っていたその生徒は、赤い紙と答えたら死んでしまうので「青い紙が欲しい」と答えた。

翌朝、トイレで全身の血を抜かれて青ざめて死んでいる生徒が発見された。

~~

すっきー『へー…』

悠「これってさ……どっちにしろ死ぬから詐欺だよな。紙でもないし」

すっきー『私が知ってるのは赤いちゃんちゃんこ、青いちゃんちゃんこですね。』

福太郎「青いマント、赤マントもあったなぁ」

悠「確か対処法は……黄色い紙をくれとか選択肢外のを選んだらいいって落ちだったけ」

福太郎「いや、その解決法あんがいダメやで」

悠「あー?」

すっきー『もしかして……福さん、聞かれたことあるんスか?』

福太郎「昔……まだ、俺が子供の時やったかな」

悠「……」

すっきー『……』

福太郎「学校終わった帰り道……お腹が急に痛ぁなって公園の公衆トイレに寄ったんよ」



~~

いざ用を足して、ハッと気がついたら紙がなかった。どうしようかと思っていたら頭の上から……

【赤い紙と青い紙どちらを選ぶ?】

福太郎『ぱ……パピルスで頼む』

~~


悠「……ど、どうなった?」

福太郎「そしたらトイレは詰まってあふれるわ。尻から血が出るわで辺り一面真っ赤に染まり……いやぁ、恐ろしい目にあったわ」

すっきー『痔になる前に病院行った方がいいっスよ……』

福太郎「昔の話しやって」

悠「あ、じゃあ、おれが凄いお守りやるよ」

福太郎「お守り?」

悠「手出してみ」

福太郎「?」

ポトッ
悠「ほ~ら、やわらかいお尻(ボール)だよ~」

福太郎「……」
ポイっ!

すっきー『きゃー!こっちに投げないでっ!!』
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