第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー夢見長屋:庭ー

幽香「ふふん♪ふん♪ふん♪」

福太郎「一夜にして庭が花だらけ」

クロ「正確にいうと朝から昼間の間に……だけどな」

福太郎「まさか余った苗や球根をここに植えていくとは思わんかった。」

クロ「ってか、ひとりであれだけできるんならいつもいつも私らをこき使う理由が分からん」

幽香「ノウハウを教えてあげたのよ」

クロ「あわ、聞こえてやがった」

メリー「でも、いいのかな?お花植えて」

福太郎「まぁ、ええんちゃうかな。雑草がはびこるよりは」

幽香「レンガを買ってきて花壇状に囲いなさいね。」

福太郎「んっ、それは俺らがやるんですか」

幽香「ええっ。そうよ。ふふっ」

クロ「笑ってやがる。」

福太郎「んー、千円くらい包んだら悠君やってくれんやろか」

クロ「アイツなら金払わなくても、おだてたらやるんじゃね?」

福太郎「やんなー」

りんね「あらあら、賑やかだと思ったらずいぶんと楽しそうね。」

福太郎「んっ、センセ。今日は休みやったんですか」

りんねえぇ、そうなのっ?!」
ズルッ!

福太郎「クロっ!」

クロ「てりゃっ!」

ガシッ!
りんね「あ、あらあら、ごめんなさい。ありがとうね。」

福太郎「ふー、休日にスプラッタは勘弁願いたいわ」

幽香「ホントよねぇ」

福太郎「とかいいつつ、自分は日傘開いて血しぶき回避対策万全ですやん」

幽香「うす汚い血で汚れたくないもの」

りんね「酷いわ。先生の血は真っ赤よ!」

福太郎「いや、色合いの問題やなーて……」

クロ「流血しないように注意しろや!」

ギュッ!
りんね「あんっ、そんなに強く絞めたら……んんっ///」

ぶちゅっ!

福太郎「あー……モツが出てしもたな」

クロ「……モロすぎだろ」

りんね「やーん。」

福太郎「ええからはよ終うてください。烏とか野良ネコとか野良イヌとか野良チュパカブラが集まってくるんで」

りんね「えっ!ユーマいるの?!見てみたい」

幽香「貴女のほうが珍生物よ」

ずるずる……ぎゅぎゅっ……
りんね「よいしょ、よいしょ」

クロ「腸を引きずりながら腹に押し込んでいくってシュール過ぎるよな」

福太郎「盲腸の手術で内臓引きづりだしすぎたら終う時に大変なんやって。慌ててむりやり圧し込むことも有るそうやで。悠がいうてたんやけど」

クロ「なんで今その話しした」

福太郎「今かなって」

りんね「あっ、悠君と言えぱ私今、悠君がいる学校にいってるのよ」

福太郎「へー……って、センセ普通の学校いってええの?」

りんね「そりゃ先生だもの……どうして?」

福太郎「いや、ええんなら、ええんですけど」

りんね「大丈夫、ムラムラしても生徒には手を出さないから」

福太郎「そういう意味やないんやけどなぁ」
32/100ページ
スキ