第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー夢見長屋近くの畑ー

滝田「さて、私はそろそろ仕事に戻るとするよ。引きとめてわるかったね。」

福太郎「いえ、平気です」

滝田「あと、そうだ。もし、花に興味があるならうちの農園を見に来るといい」

福太郎「えぇ、機会があればぜひ」

幽香「こっちにも花を作る仕事をしている人、いるのね。」

福太郎「まぁ、そら……花屋があるんやからおりますわな。興味あります?」

幽香「そこそこね。でも、今日のところはとりあえずいいわ」

クロ「とりあえずかよ」

幽香「暗くならないうちに帰るとしましょう」

クロ「私、風呂入りたいんだけど」

福太郎「んー……銭湯でもよってく?」

幽香「戦闘?汗を流すの?」

福太郎「汗を流すんですけど、お風呂やの方の銭湯ですよ?」

幽香「……分かってたわよ」

クロ「ウソつけ」

幽香「……なに?」

ひゅんっ!
クロ「にこやかな笑顔で傘を振りまわすなッ!泣くぞ!」

幽香「泣きたければ泣きなさい。けどね……泣いて許されるのは赤ン坊までよ」

福太郎「さて、団欒したところでお風呂いこか」

クロ「団欒してねーよ!」




ー池袋:銭湯(男湯側)ー

福太郎「ん?」

悠「お?」

福太郎「あら、偶然。」

悠「おー、福ちゃんも風呂?」

福太郎「んっ、ちょっとな悠は?」

悠「いや、底冷えする寒さだったからたまらず風呂屋に飛び込んだんだ」

福太郎「たまらずて……」

悠「それにここのスチームサウナがわりといいんだよ」

福太郎「いきつけてますやん」

悠「まぁな。しかし、福ちゃんなかなか立派じゃないか」

福太郎「んー、俺としては全体的にガシッとした悠の身体に驚きなんやけど……」

悠「もっと褒めていいぞ」

福太郎「でも、寒いしとりあえず湯いこや」

悠「そうだな」

福太郎「ひとりで来たん?」

悠「いや、片割れがいる。ずるいよな合法的に女湯入れるとか」

福太郎「いや、ゆうちゃんは女の子やん」




ー池袋:銭湯(女湯側)ー

悠(女)「いやー、きぐうおっぱいだな」

クロ「最悪だ……」

幽香「あら、貴女……男じゃなかったかしら?」

悠(女)「んっ、そりゃあーしの片割れだ。」

幽香「どういう意味?」

クロ「コイツと同じ存在で男の方もいるんだよ」

幽香「そういうの多いの?」

クロ「まさか……コイツらがおかしいだけだ」

悠(女)「おかしいとは酷いな。まぁでも、いい乳だ」

クロ「乳、乳、いうな!」

幽香「良いじゃないの減るもんでもないし」

悠(女)「お姉さん分かってるねぇ。うぇひひ」

幽香「触ったら殺すわよ」

悠(女)「ちっ、クロで我慢しとくか」

クロ「私にも触んな!」
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