第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋西口公園ー

幽香「この街のいいことはアレね」

福太郎「はい?」

幽香「食べ物、飲み物がどこでも手に入る。」

福太郎「んー、その点は間違ごうてないと思いますよ。日本は治安がええからそこら中に自販機とかおけるわけですから。そんかし、エコではないいう意見も多いですけど」

幽香「エコ?」

福太郎「んんと……自然に優しい無いみたいな」

幽香「なるほど、確かに無機物ばかりで風情は無いわね」

福太郎「場所によっては景観問題とかもありますしねぇ……。」

幽香「よく分からないわね。」

福太郎「ん?」

幽香「邪魔なら壊せばいいじゃない」

福太郎「いやー……えっ、幻想郷ではそういうん許される系なん?」

幽香「馬鹿ね。そんなことが許されるわけ無いでしょ」

福太郎「えぇ……。」

幽香「私は意見を提示しただけよ。ここでこそ許されるかじゃないの?」

福太郎「世界を牛耳れるレベルの金持ちやったら許されるかもなぁ」

クロ「なんの話ししてんだよお前らは」

福太郎「世界情勢?」

幽香「マーキングは済んだの?」

クロ「トイレだよ!ぶっ飛ばすぞ!!」

幽香「いいわよ」

クロ「っ……」

福太郎「あんまりウチの子をイジメんといたってや」

幽香「イジメてるつもりはないわよ」

福太郎「んっ、せやったらええですよ」

クロ「よくねぇよっ!どう考えても悪意しかないだろ」

幽香「ないわよ。」

福太郎「ないって」

クロ「そろそろ泣くぞ」

幽香「きゃんきゃん?」

福太郎「まぁ、それも鳴くではあるけど」

クロ「帰る」

幽香「荷物持ちが勝手に帰らないでちょうだい」

クロ「そんないい方されて帰らないヤツがいると思うのか……」

幽香「足は……動く必要があるから駄目ね。腕、指、爪……片手あったらリヤカーは引けるわね」

クロ「平然とおぞましい事いってんな!」

福太郎「まぁまぁ、喧嘩しいなや」

幽香「喧嘩はしてないわ」

クロ「一方的なイジメだ」

幽香「はいはい、そうですね。行くわよ」

クロ「……」

福太郎「クロも好かれとるね」

クロ「どこがだよっ!!」



ー桜花フラワーショップー

鈴猫「あ、こんにちは」

幽香「どうも。いつものようにいくつか花の苗とタネを見繕ってもらえる?」

鈴猫「はい、まいどありがとうございます」

福太郎「え、なに常連?」

クロ「あー、お前は知らなかったな。いっつもここで苗とか買ってるんだよ。一回にリヤカーいっぱいに買うから面覚えられたんだろ」

福太郎「なるほどな」

幽香「犬、さっさと積み込みなさい」

クロ「なぁ、頼むからアイツどうにかしてくれ」

福太郎「んー、まぁホンマには手出す人ちゃうし」

クロ「出しかねないだろ!!」
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