第肆夜『福太郎の不思議な日常』
ー夢見長屋付近ー
福太郎「珍しいですね」
幽香「なにが?」
福太郎「畑の方へ行くと思っとったのに」
幽香「私が花畑にしか興味が無いと言いたいの?」
福太郎「そんなんいうてませんやん」
クロ「てゆーかさぁ……」
ごろろろ…
幽香「なに?」
福太郎「ん?」
クロ「なんで私はリヤカー引かされてんだ」
福太郎「なんでですのん?」
幽香「荷物もち」
福太郎「だそうです」
クロ「リヤカーがいる程の買い物を考えてるんじゃねーよ!」
幽香「ふふっ」
クロ「……」
福太郎「優雅やなぁ」
クロ「私にはドSの女王に見える」
幽香「ねぇ」
福太郎「んっ?」
幽香「あそこに見える建物」
福太郎「廃校ですか?」
幽香「あそこに行くわよ」
福太郎「ん、いや、廃校ですよ?」
幽香「いるわ」
福太郎「はい?」
幽香「ほら、行くわよ」
福太郎「んー、行きますか」
クロ「おいおい」
ー廃校:校門前ー
福太郎「んー、ボロイ廃校やとおもっとたけど、近くで見たらしっかりしとるね。年季の入った木造校舎なだけで」
幽香「……」
福太郎「どないしましてん?」
幽香「……福太郎、ちょっと入ってみなさい」
福太郎「ん、ええですけど」
幽香「次、イヌ」
クロ「せめて名前で呼べ!!」
幽香「いいから、さっさと入りなさい」
クロ「なんなんだぶっ!?」
ゴンッ!
福太郎「え?」
クロは壁にぶつかったように額を抑えて目のまえを確認する。
クロ「いってて……な、なんだ?」
幽香「やっぱり結界が有ったのね。人間には効果が無いようだけど」
クロ「分かってて私を行かせたのか!!」
福太郎「せやけどなんでそんなもんが?」
幽香「さぁ……ブチ壊したら何か分かるんじゃないかしら」
福太郎「ブチ」
クロ「壊す……」
幽香「福太郎、私の正面から失せてなさい」
そういって開いていた日傘を畳むと、先を何もないはずの空間に差し向けた。そして、鍵穴に鍵を差し込むように前へ前へと突き立てていく。そこだけアクリル製の板でも貼ってあったかのようにメリメリと膨らんでいった。力任せに、いっぱいいっぱいに押された結果、限界までふくれた風船のようにパァァンっと音を立てて爆ぜた。
福太郎「っ……」
クロ「っ……」
幽香「なかなかの硬さだったけど霊夢の結界に比べたらダンボール程度だったわね。」
傘についたゴミを払うように二度三度振ると再び開いて優雅な足取りで校門をくぐったのだった。
クロ「おいおい、入るのまずくないか?」
幽香「気にしなければいいのよ」
福太郎「珍しいですね」
幽香「なにが?」
福太郎「畑の方へ行くと思っとったのに」
幽香「私が花畑にしか興味が無いと言いたいの?」
福太郎「そんなんいうてませんやん」
クロ「てゆーかさぁ……」
ごろろろ…
幽香「なに?」
福太郎「ん?」
クロ「なんで私はリヤカー引かされてんだ」
福太郎「なんでですのん?」
幽香「荷物もち」
福太郎「だそうです」
クロ「リヤカーがいる程の買い物を考えてるんじゃねーよ!」
幽香「ふふっ」
クロ「……」
福太郎「優雅やなぁ」
クロ「私にはドSの女王に見える」
幽香「ねぇ」
福太郎「んっ?」
幽香「あそこに見える建物」
福太郎「廃校ですか?」
幽香「あそこに行くわよ」
福太郎「ん、いや、廃校ですよ?」
幽香「いるわ」
福太郎「はい?」
幽香「ほら、行くわよ」
福太郎「んー、行きますか」
クロ「おいおい」
ー廃校:校門前ー
福太郎「んー、ボロイ廃校やとおもっとたけど、近くで見たらしっかりしとるね。年季の入った木造校舎なだけで」
幽香「……」
福太郎「どないしましてん?」
幽香「……福太郎、ちょっと入ってみなさい」
福太郎「ん、ええですけど」
幽香「次、イヌ」
クロ「せめて名前で呼べ!!」
幽香「いいから、さっさと入りなさい」
クロ「なんなんだぶっ!?」
ゴンッ!
福太郎「え?」
クロは壁にぶつかったように額を抑えて目のまえを確認する。
クロ「いってて……な、なんだ?」
幽香「やっぱり結界が有ったのね。人間には効果が無いようだけど」
クロ「分かってて私を行かせたのか!!」
福太郎「せやけどなんでそんなもんが?」
幽香「さぁ……ブチ壊したら何か分かるんじゃないかしら」
福太郎「ブチ」
クロ「壊す……」
幽香「福太郎、私の正面から失せてなさい」
そういって開いていた日傘を畳むと、先を何もないはずの空間に差し向けた。そして、鍵穴に鍵を差し込むように前へ前へと突き立てていく。そこだけアクリル製の板でも貼ってあったかのようにメリメリと膨らんでいった。力任せに、いっぱいいっぱいに押された結果、限界までふくれた風船のようにパァァンっと音を立てて爆ぜた。
福太郎「っ……」
クロ「っ……」
幽香「なかなかの硬さだったけど霊夢の結界に比べたらダンボール程度だったわね。」
傘についたゴミを払うように二度三度振ると再び開いて優雅な足取りで校門をくぐったのだった。
クロ「おいおい、入るのまずくないか?」
幽香「気にしなければいいのよ」