第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

冥「いやー、それにしてもお部屋を綺麗に使ってくださってますナ」

福太郎「んっ、まぁうちには子供とか居りませんし」

クロ「赤ん坊の霊なら要るけどな」

福太郎「スプラッタになったときのためにブルーシートも用意しとりますし」

冥「それはりんねさん用ですかナ」

福太郎「はい」

冥「まぁ……あの人の血で汚れた場合は福太郎さんのせいじゃないので気にしなくていいですナ」

福太郎「そらどうも。それだけで大分心持が変わりますわ」

メリー「管理人さんは何処で暮らしてるの?」

冥「この近くにある廃校ですナ」

メリー「寒くない?」

冥「なかはしっかりとしてるから大丈夫なのナ。コタツでぬくぬくですニャ」

福太郎「んー、そうなんや」

クロ「あの辺りか私も何度か近くは通ったことあるけど……入る気ないな」

福太郎「なんで?」

クロ「なんか嫌な気配があるんだよ」

冥「結界も張ってあるからナ。それに、多分義鷹の気配を察したのナ」

福太郎「義鷹さん?」

冥「鵼ナ」

クロ「ぬ、ぬぇっ?!」

福太郎「今の反応おもろい」

クロ「うるせぇよ!ってか、鵼なんてあの九尾レベルにヤバい奴じゃねーか」

冥「あっ、もしかして揺光さんとお知り合いナ?」

福太郎「えぇ、まぁちょっとした知り合いです」

冥「それは奇遇ですナ~。まぁ、義鷹は危なくはないですナ。ちょっと怒りっぽいけど」

クロ「鵼の怒り方なんか想像できない」

メリー「クロって自分では神って自称してるのにいろいろと格下よね」

クロ「殴るぞ!」

福太郎「まぁまぁ」

冥「福太郎さんは絵を描かれるそうですナ」

福太郎「んっ、はい。まぁ手慰めていどのもんですけど」

冥「私は絵とかは素人ですけどとてもお上手だと思いますニャ」

福太郎「そら……おおきに」

メリー「ご主人様、照れてる?」

福太郎「そう見える?」

メリー「……全然」

福太郎「んっ、いや嬉しいんは嬉しいんよ」

クロ「だったらもっと嬉しそうにしろよ」

福太郎「こんなに、にこやかやん」

クロ「どこがだよ!!」

冥「ふふっ。面白いひとですナ」

福太郎「たまにいわれます」

クロ「いわれてるか?」

福太郎「そういえば管理人さん、畑貸していただいてどうもです」

冥「あー、いやいや、遊ばせとくよりは利用してくださったほうがいいですナ」

メリー「ホント!それじゃあゆうかりんランドを大きくしてもいいのね!」

冥「ゆうかりん……?」

福太郎「んん、ええと実はたまに花の妖怪さんが来て一面を花畑にするんですけど、メリーちゃんが気にいってて」

冥「あぁ、そういう事でしたら好きにしてくださっていいですナ。ただしくれぐれも周りの人に迷惑をかけないようにしてくださいナ」

福太郎「ん、それは重々承知しとります」

メリー「えへへ、ゆうかりん喜ぶかなぁ」

クロ「あたしは仕事が増えそうでイヤなんだが……」
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