第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「寒っ」

すっきー『ホント、今日はよく冷えてるっすね』

クロ「ここまで寒いとさすがにアイツも顔出さないな」

福太郎「寂しい?」

クロ「……」

福太郎「なにふざけたこといってるんだ気持ち悪い……みたいな目で見られた」

クロ「だいたい当たってるよ」

すっきー『だいたいってことは内心はもっとひどいこと思ってるんすね』

クロ「まぁな」

福太郎「黒いなぁ。クロだけに」

クロ「つまんねぇこというな」

コンっ

メリー「ご主人様」

福太郎「ん、どした?」

メリー「今、玄関の方でなにか音がした気がしたの」

福太郎「音?誰か来たんかいな」

クロ「まさかアイツか」

福太郎「いや、悠ならチャイムを連打するし」

すっきー『それはそれでおかしいっすけどね』

福太郎「……まぁ、気になるし見とこか。りんねセンセがぐちゃっとっても困るし」

クロ「いやな理由だな」

福太郎「誰か?」

「あ……」

福太郎「ん?」

「こんにちはですニャ」

福太郎「にゃ?」

クロ「どうした?」

福太郎「んっ、それが……」

冥「あぁ、そっか。ちゃんと会うのは初めてでしたのナ。円造寺冥といいますのナ」

福太郎「円造寺冥……あ、もしかして管理人さん?」

冥「はい、そうですナ♪」

福太郎「あぁ、どうも。初めましていうんはへんやけど御堂福太郎です。どないしたんですか?」

冥「ちょっとりんねさんの様子を見に来たのだけど、お留守だって帰ろうとしていたところですナ」

福太郎「せやったら、ウチで待っとります?」

冥「ニャ?」

福太郎「いや、管理人さんとはちゃんとお話ししたことなかったし、せっかく来はったんですから良かったら」

冥「んー……それじゃあ、少しだけお邪魔しますなのナ」

福太郎「どうぞ、どうぞ」

クロ「クンクン……アンタ。猫か」

福太郎「いや、そら匂いやなーてもわかるやろ」

冥「猫又ですナ」

すっきー『あっ、管理人さん。こんにちわっす』

メリー「は、はじめまして」

冥「あらー、話には聞いていたけど本当に賑やかなのナ」

福太郎「んっ、すんません。」

冥「あー、そういう意味じゃないのナ。それにこの辺りは二十四時間騒いでも人間は怒ってこないのナ」

福太郎「そのかわり人外の類がくるいう意味ですね」

冥「ひっひっひっ」

福太郎「わぁ……今のは妖怪っぽい」

冥「伊達に数百年妖怪してないですナ♪」

すっきー『ひゃあ、本物っすね。』

メリー「すごいのー」

福太郎「やっぱり生きた年数=凄みなん?」

クロ「いや、ケースバイケースだな」
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