第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋:商店街ー

福太郎「なに鍋にしょーか」

萃香「酒鍋」

福太郎「そういう鍋も有るみたいやけど却下」

萃香「ぶー」

福太郎「にしても……ホンマに分からんようになっとるんやな角」

萃香「よく分かんないけど、紫がなんか細工してたから見えないんじゃない?なぁ?」

紫「当然よ。私の力を侮らないで」

福太郎「侮っとる訳やないけど、角を見えんようにすることにそんな自信いうか胸張られても困るんやけど」

萃香「そもそも隠す理由がわかんないしなぁー」

福太郎「いや、それは色々問題やろ」

萃香「例えば?」

悠「今年は丑年じゃなく馬年だろ」

萃香「誰が牛だ!」

悠「乳牛じゃなく食用かな」

萃香「なんでよ!乳牛かも知れないじゃん!どこ見て判断してるか知らないけどさ!!」

福太郎「んで、さもはなっから行動してましたのように自然体で話に加わってきた悠はなにしとるん?」

悠「驚かないよなー」

紫「きゃっ!ゆかりんびっくり~」

悠「……」
ごしごし

紫「なんで無言で目を擦るのよ!なに、泣いてるって言うのならどういう理由でなのか小一時間詰め寄るわよ!!」

萃香「気持ちはわかるよ……。」

紫「萃香!アンタまでソレどういう意味よ!!」

悠「賑やかだな」

福太郎「せやろ」

揺光【なんじゃ、妙に知った匂いがすると思うたら紫と萃香か】

福太郎「んっ、揺光さん。どもあけおめです」

揺光【うむ。】

紫「あら、アナタったらまだ日本に居たのね」

揺光【こやつに離してもらえんでの】

グィッ
悠「嘘つけ。神出鬼没でつい最近現れただろ」

揺光【こんこん♪】

福太郎「ほんでも、ふたりでデート中?」

悠「おれはただの散歩」

揺光【妾はこやつの保護者役じゃ】

悠「誰が誰の保護者だ。っか、そーゆー福ちゃんこそこっちの幼女は?」

福太郎「んっ、この娘は伊吹萃香。鬼や」

悠「鬼?それにしては……角が無いな」

福太郎「んっ、やっぱり効果はあるんやな」

悠「というと?」

揺光【ほれっ】
パチン!

悠「おっ……おー、立派な角だ」

萃香「まぁね!!」

紫「ちょっと勝手に不可視の術を解かないでよ」
スッ

悠「あ、消えた」

揺光【……】
パチン!

悠「見えた」

萃香「ちょっと私の角で遊ぶなよっ!!」

福太郎「角で遊ぶいうか……これなんか影響あるん?」

紫「強力な電磁波を送り込んでるようなもんかだから周りには何の問題もないわよ」

揺光【うむ。周りには何も影響はない】

悠「本人には?」

紫「……」

揺光【……】

萃香「ちょっと黙んないでよ?!」

福太郎「悠。鍋食べるとしたら何鍋がええと思う?」

悠「うちは昨日豆乳鍋にしたけど」

福太郎「あぁ、そうしよか。」

萃香「いやいや、あたしのこともっと心配しろよ!」

揺光【では、行くか】

悠「そだな」

紫「またねー」

福太郎「ほな」

萃香「うぉぉぉい!!」
12/100ページ
スキ