第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あけましておめでとう」

クロ「あけましておめでとう」

メリー「あけましておめでとうございます!」

すっきー『今年もよろしくお願いしますっす。』

福太郎「ん、とりあえずの挨拶は済んだね。ほな、あとはだらだらで」

クロ「まるでやる気ねーな」

福太郎「ん、初詣とか行きたい?近くの廃寺に」

すっきー『御利益なさそうっすね』

クロ「っーか、そこは私の神社だろ!!」

メリー「……え?」

クロ「忘れてんなよ!」

福太郎「んー、せやったね。ってか、逆にクロが居らんで平気なもんなん?」

クロ「別段問題はねーよ。もともと廃っちまったら誰も祭るヤツがいねーわけだし。」

すっきー『でもでも、知り合いがいってたんスけど……そうなったらもともと居たクロさんは悪霊化しちゃうんじゃないんスか?』

クロ「それは……」

福太郎「チョイ待って」

クロ「ん?」

すっきー『はい?』

福太郎「すっきーに知り合いって……おるん?」

すっきー『失礼っすね!!』

福太郎「いや、そういう意味やなくて……すっきーって基本この部屋ん中でしか行動制限されとるんちゃうん?」

すっきー『あぁ、今はそうっすけどここの部屋に住んでるひと、つまりは福太郎さんが居なくなったらまた別の隙間に移動するわけっす。その間に知り合うひと(幽霊)もいるわけっす。まぁ、他にも浮遊霊さんとかは自由に動けるわけっすからね。向こうからやってきて話すことも有るわけっすよ』

福太郎「なるほどな」

メリー「そっか、私みたいなのは基本的には自由に行動できるもんね」

福太郎「んで、ごめん。話しの腰折ったけどクロは?」

クロ「私は土地神って訳じゃない流れ神だからなひと祀られなくなったら、自由に離れれるんだよ」

福太郎「ほんで、コックリさんみたいなことやってたわけや」

クロ「いま思えばお前に呼びこまれたのが妬ましい……」

福太郎「別に俺に取り憑いとる分けやないんやろ。でていこおもたら出ていけるんやろ?」

クロ「出来るけど……ここにいたら衣食住は困らねーし。それに……」

福太郎「それに?」

クロ「例えどっかいっても連れ戻しに追ってくるだろ」

福太郎「うん」

クロ「はぁ……」

福太郎「ホンマにいやなんやったらせんけど、ただ、無断で出ていかれたらやっぱり気になるしなぁ」

メリー「ご主人様、やさしい!」

福太郎「んっ、ありがと。」

すっきー『やー、今のはドキッとするっすね』

クロ「いや、しないだろ」

すっきー『そうっすか?』

福太郎「すっきーは乙女っぽい所があるよね。今度少女漫画とか買ってこよか?」

すっきー『いやー、最近のはドロドロし過ぎてるっすからラブコメとかのがいいっすね』

クロ「とかいいながら、お前よく昼ドラみてんじゃん」

すっきー『あれはあれで面白いじないっすか』

福太郎「韓流?」

クロ「いいや、普通の昼ドラ」

メリー「愛憎劇のやつよね。」

福太郎「へー、時代劇とか見るとおもてたのに」

すっきー『なんで時代劇……』

福太郎「俺はわりと好きなんやけどね。水戸黄門とか」
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