第肆夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「ちぇきっーす」

福太郎「んっ、あれ~久々」

悠「うぃっす。ようやく落ちついたから戻ってきたよ」

福太郎「えらいボロボロやね。」

悠「胸骨と頬骨と頤と左腕とが骨折ヒビ、上半身中心に裂傷と火傷諸々ってところだ」

福太郎「ダイハードでもしてたん?」

悠「あながち間違ってはないかも」

福太郎「まぁ、どうぞ。」

悠「おじゃましまうま」

悠(女)「あっ」

悠「あっ」

悠(女)「何してんの」

悠「そりゃこっちのセリフだ。おれのコタツを占領するな」

クロ「お前のじゃねーよ!」

悠(女)「そうだ。あーしのだ!」

クロ「それも違うっ!」

ゲシッ!
悠(女)「こらこら、蹴るなよ」

悠「いいから横によけろよ。痛っっ…。」

悠(女)「ずいぶんとやられたな」

悠「年明け前に酷い結果だよ」

福太郎「それで動きまわっててええの?」

悠「英気を養ってるんだよ。ズズッ痛っ……!」

福太郎「口ん中もズタズタ?」

悠「上の奥歯が一本砕けたんだよ」

メリー「ひぃ……」

悠(女)「アホだな」

悠「おれがアホなんじゃなくてここまでしてくる奴らがアホなんだよ……痛っ。」

悠(女)「おい、もたれるなよ」

悠「じゃあ、退け」

悠(女)「あー?」

悠「あー?」

福太郎「どっちかが座る位置変えたらいいだけだろ」

悠「ここはおれの指定席だ!」
悠(女)「ここはあーしの指定席だ!」

メリー「揃ってたの」

福太郎「まぁ、同じひとやもんな」

悠「がるる」

悠(女)「がるる」

福太郎「……せやったらまず悠が座ってそのうえにゆうが座ったら?」

悠「はぁ?!」

悠(女)「……そうするか」

悠「マジでいってんのか?」

悠(女)「いいから、ホラはやく」

悠「いいけど。」

悠(女)「よいしょ。」
トスッ……

悠「んぐっ?!」

悠(女)「なかなか良い座り心地だなぁぁ」

クロ「何か様子おかしくねぇか?」

福太郎「……ん、そっか。」

メリー「どしたの?」

福太郎「上半身の骨がヒビっとるのに正面からもたれかかられたら……めっちゃ痛いやろ。当然やけど」

クロ「あぁ、なるほど」

悠「うごぁ……!」

悠(女)「そんなに喜ぶなよ。あーしと身体が密着で来てるからってぇ♪」

クロ「えげつねぇ……」

福太郎「そお?結構仲良しさんやろアレはアレで」
7/100ページ
スキ