第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

深夜23時59分……。壁に掛けてあるトンネルの絵が怪しく渦巻く。

福太郎「ほら、チルノ帰れるで」

チルノ「なー福太郎また来ていい?」

福太郎「来るなぁいうても来るんやろ?」

チルノ「質問で質問を質問……あれ?」

福太郎「質問で質問を返すなやろ。ほら、また来てええからはよ入り。閉じてまうで」

チルノ「おっと、じゃーまたね!次はちゃんとあたいの絵描いてよ!」

福太郎「んー…」

チルノは絵の中に飛び込み。時計の針が0時を刺すと同時に怪しい渦は閉じて元の絵に戻る。

すっきー『チルノちゃんの絵描いてあげるんスか?』

福太郎「坊主が屏風に坊主の絵を描いた」

すっきー『はい?』

福太郎「すっきーも描いて欲しいもんか?」

すっきー『え、そりゃー……写真とかだと超怖く写るからやっぱりちゃんと見えてる人に描いて貰った方が嬉しいかな~。』

福太郎「そういうもんか……。」

すっきー『もしかして描いてくれたり?』

福太郎「せやけど、チルノは写真に写るよな。やったらカメラで撮って現像したげるほうがええかも……」

すっきー『無視すよね……わかってましたよ。ははっ……。』

福太郎「描いたげてもええで」

すっきー『ホントっスか!?け、けど……福さん、人物画は描かないんじゃ?』

福太郎「そやけど……少なくともすっきーやチルノは俺より長生きするやろ」

すっきー「私は死ぬってのこと無いですけどね」

福太郎「けど、忘れられんかったら消えること無いんやろ。」

すっきー『まぁ、そうです』

福太郎「せやったら……俺生きとる限りは平気やんな」

すっきー『……えーと、それでどんなポーズを?』
ぬぎぬぎ…

福太郎「ちょ、なんで脱いでるん。別にヌードやなくてええから」

すっきー『あ、そうなんスか?//』

福太郎「まぁ、別に脱いでくれるんやったら。それでも別にええけど……っと、電話やもしもし?えぇ……はい。あー、別にええですよ。」

すっきー『どうしたんです?』

福太郎「ちょっとバイト出てくれいわれたけん行ってくるわ」

すっきー『こんな時間にっスか?』

福太郎「二十三時間営業なんよ」

すっきー『一時間休む理由は何なんですかね』

福太郎「気分やろ。ほな、ちょっと行ってくるな」

すっきー『いってらっしゃーい』





~移動中~




ー居酒屋ー

福太郎「ありがとうございました」

店長「ふぅ……ごめんね。こんな深夜に」

福太郎「いや、平気ですよ。」

店長「御堂君はよく働いてくれるから助かるよ」

福太郎「そうすかね?」

店長「……どうだろう。このまま正社員にならないか?」

福太郎「……有りがたいですけど。辞退させていただきます。予定通り今月いっぱいで」

店長「そうか……残念だなぁ。」
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