ｰ福太郎の部屋ｰ

悠「はぁー……」

福太郎「どないしてん?元気ないやん」

悠「朝から玄関先に氷張っててスッ転んだ」

福太郎「そら、痛かったやろ」

悠「いや、スッ転んで着地はしたんだけど」

クロ「でたよ。無駄に良い身体能力」

悠「着地した先にバロンの尻尾が有ってなカブリッといかれた。」

福太郎「うわー、足にしっかりと歯型が」

悠「危うくふくらはぎの一部もっていかれるところだったよ」

恋「朝から不運な奴じゃったな」

悠「全くだよ。仕方ないからもう学校休んだし」

福太郎「それは無理矢理に理由つけただけちゃう?」

悠「いや、もう足が痛くて痛くて」

恋「普通に歩いとっただろ!」

悠「うっさい」

恋「なんじゃと!」

福太郎「じっさい痛いん?」

悠「まぁ、穴開いてるからな。痛いのは痛い。けど、耐えかねれない程ではない」

クロ「結局平気なんじゃないか」

悠「まぁな。」

福太郎「狂犬病とかは平気なん?」

悠「うちのバロンはちゃんと予防接種してるよ」

恋「お主はへいきか?」

クロ「犬と一緒にすんな小娘」

恋「だれが小娘じゃ!」

悠「恋」

恋「よし、表でろ」

悠「寒いから嫌」

福太郎「今日はあったかいけどね」

悠「まぁでも、こんな小娘でもなおれの所有物なんだ。あんまり小娘、小娘といわないでやってくれ小娘でも」

恋「お前が一番いっとるわ!」

ゲシ!
悠「おふっぁ!?」

福太郎「横腹って蹴られたらめちゃ痛いよな」

クロ「蹴りだけは良いんだな」

悠「ひとのこと散々蹴ってるからな」

恋「蹴られるような事ばかり言うお主が悪い」

悠「そんなつもりはないんだが」

福太郎「些細な行き違いやね」

恋「おぬしもときどき意味分からんな」

悠「そこが福ちゃんの魅力」

福太郎「おおきに」

クロ「いや、嬉しいか今の?」

福太郎「んー、まぁ、そこそこ」

悠「恋も福ちゃんくらい素直だったらな」

恋「アイツのは素直といわんし、恋は素直じゃ」

福太郎「んー、素直ではないんちゃう?」

恋「なんじゃと?」

福太郎「いやー、だって恋ちゃん口ではなんやかんやいうて悠のこと大事にしとるやろ。素直やないから正面から言わんだけで」

悠「そうなの?」

恋「そそ、そんなわけないっ!」

悠「屋主を大事に思わない掃除婦もどうかと思うが」

福太郎「あはは。」

クロ「私は素でお前のことは胡散臭いやつと思ってるけどな」

悠「いつか押し倒して舌つっこんでやるからな」

クロ「食い千切ってやる」

福太郎「牛タンならぬ……悠タン?」

悠「おれが萌えキャラに?!」

恋「アホ……」