第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「マイケル」

福太郎「ジャクソン?」

悠「ぽぅっ!」

恋「どういう挨拶じゃ……」

クロ「しらねーよ。お前の屋主がいいだしてんだろ」

悠「いや、特になんか意味があったとかそういうわけじゃないのよ」

福太郎「せやろね。」

悠「でも、ふくたんは乗ってくれるから好きー」

福太郎「あはは、気持ち悪っ」

悠「そんなハキハキとした気持ち悪宣言は珍しい」

恋「いや、気持ち悪がれておるのは変わらんからな」

悠「慣れてるし」

恋「なれるな」

クロ「いや、気持ち悪いだろそいつ」

恋「確かに気持ち悪いが……」

悠「すげぇな。誰ひとり否定しやがらねぇ」

福太郎「ほんで、今日はなんの用事なん?」

悠「あー、そうだ。蜜の柑と書いて蜜柑を貰ったからおすそわけ」

クロ「なんで今一回分解した。蜜の柑て」

福太郎「そら、おおきに」

悠「とりあえず、ひと袋分持って来たけどいるんなら箱、英語でいうとBOXで持ってくるが」

福太郎「いや、とりあえずひと袋でええよ」

クロ「いや、今何で英語でいった」

恋「いちいち気にしていたら日が暮れてしまうぞ」

悠「日が暮れる、イタリア語でいうと……」

クロ「……」

恋「……」

福太郎「……」

悠「ふー、寒い寒い」

福太郎「せやね」

クロ「なんなんだよ!」

悠「どうした発情期か?」

クロ「ブチ殺すぞ」

悠「狂犬病の予防接種受けさせてるか?」

福太郎「いや、しとらんなぁ」

恋「それはちと危ないのう」

クロ「私を犬扱いするのがナチュラルになってきたなお前ら」

悠「ところで話しは変わるけど福ちゃん」

福太郎「ん?」

悠「愛って何だろうな」

福太郎「目」

悠「Eyeじゃなくてね。愛、Loveの方な」

福太郎「んー、なんやろうねぇ。なかったらさびしいし、あり過ぎても持て余すもんちゃう?」

悠「やだ、福ちゃんカッコいい……///」

福太郎「んっ」

クロ「頬を赤らめんな、頬を」

福太郎「しかし、なんでそないなことを?そーいうタイプのひとやっけ?」

悠「かさま……あぁ、間違えた。まさか」

クロ「どんな間違いだ」

悠「ちょっと知り合いがそういうことをよく言ってるからちょっと他人の意見を聞いてみたくなっただけさ」

福太郎「なるほど、んで……ご意見は?」

悠「今度聞かれたら、ふくちゃんの言葉を伝えとくよ。おれのなかでも結構いい答えだと思ったし」

福太郎「はぁ、まぁそれで喧嘩の火種にならんようなしてな」

悠「大丈夫、大丈夫。おれは狙われないはずだから尻以外は」

福太郎「それはなかなか危ないな」
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